出産費用が無料のセルビア。現地医療サービス実体験レポート

この春、現在住んでいるセルビア共和国で長男を出産しました。タイトルにもあるとおり、現地では公立の医療機関を使うと妊娠〜出産までにかかる費用がほぼ無料私としてはかなり驚きだったので、実際「タダで産める」セルビアの医療サービスがどんなだったのか記事にしてみました。

なぜ日本でなくセルビアで産むことにしたのか

セルビアがまずどんな国かというと、旧ユーゴスラビアの解体後から経済的にかなり厳しい状況にあり、ここ数年は少し上向いてきたものの、ヨーロッパでは貧しい国の一つに挙げられる国です。

最近の医療レベルはイタリアに近いレベルになってきたとか聞いたことがありますが、現地の友人知人の話などを聞くと(医療事故のようなことばかり聞かされるので)なんとなく怖くて私達夫婦はセルビアに来てから三年間、病院にいかずになんとか過ごしてました(汗)。

こんな状況を考えると、日本に帰って出産するほうが良いのでは?と思ってしまいますし、実際、私もその選択肢を考えたこともありました。でも結局、現地で出産することにしたのはこんな理由がありました。

長期でセルビアを離れるわけにはいかなかった

そもそも子供を持つということを考えておらず、たまたま授かったため、子供ができたらどうするかということは全く考えていませんでした。夫の仕事の拠点はセルビアにあり、長期でセルビアを一緒にはなれるわけにはいきません。かといって、妊娠中~産後しばらく日本に一人で帰るとなると半年以上も家を開けることになり、それはちょっと…という感じでした。

帰国のフライトが厳しい

妊娠中でもまだ早い時期ならフライトは可能ですが、乗り継ぎも含めて長いフライトに耐えられるのか、ドアtoドアで24時間以上かかる道のりは妊婦には厳しいのではないか、産後に小さな子供とその長旅をしてセルビアに戻ってこれるのか、など、物理的な距離を考えると私には無理そう…と思ってしまいました。

日本での出産は高額!

トドメはお金のもの問題です。妊娠して初めて知ったのですが、日本では産後に出産育児一時金として自治体から40万円くらいもらえるものの、出産費用に同じくらい~それ以上かかるようです。母親には「妊娠から出産まで100万くらいはかかるわよ」といわれ絶句しました。。

子供を持つことを前提に家計を考えていなかったため、日本での滞在中にかかる費用(高い食費、交通費など)も全部ひっくるめて考えるとやっぱり無理だ…となり、あきらめました。

もちろん、セルビアの出産事情や医療事情によほどの疑いがあれば、やはり日本で安心して出産したほうがいいです。ただ、病気の手術などはセルビアではしたくないというのが本音なものの、産婦人科は大丈夫なんじゃないか、という思いがありました。なぜかというと、そこら中に子供がたくさんいて、妊婦さんもそこらじゅうで見かけるからです。これだけたくさんの元気な子供がここで生まれているなら大丈夫なんじゃないか、と。

日本での出産経験があれば、日本と比べてあーだこーだと比較してしまったかもしれませんが、実際振り返ってみると私としては総じて満足のゆく医療サービスでした。幸い、友人の一人が一年前に出産しており、良いお医者さんや産科を教えてもらうことができたのも手伝ってたと思いますが。

それに、なんといってもお金がほとんどかかりませんでした。

これだけのサービスが無料で受けられるなら十分!

という感じです。

セルビアでほぼ無料で出産できる理由

セルビアには国民健康保険があり、加入していれば公立の保健所や病院での診療に代金を払う必要はありません。つまりゼロ割負担ということです。我が家は夫が個人事業主のため、月々20ユーロ程度(2500円くらい)を家族を含めた保険料として払っており、健康保険証みたいなのも持っています。就労状況にもよりますが、パートタイムで働いていて雇い主が保険を払ってくれない場合は、一定の手続きをすると保険料を納めることなく、健康保険証を発行してもらうことができます。

前述のとおり、セルビアに来てからの3年間はこの保険証、まったく日の目を見ることがなかったのですが、妊娠したことでフル活用することになりました。

で、実際に妊娠中に通い始めた保健所の婦人科ですが、最初から最後まで一度も診療代を払うことはありませんでしたし、超音波検査から始まる各種検査も一つを除いて無料です。超音波検査では、通常の白黒のに加えて、4Dもあり、何度か赤ちゃんの顔を見せてもらうこともできました。

妊娠中にかかった費用

今でこそお金を払わなくていいことに慣れてしまったのですが、最初の検診に行くときは「一体いくらかかるんだろう…」と思い、念のため多めにお金を持って行ったのを思い出します。検診が終わって、窓口で次回の予約をして、さて幾らかなとドキドキしていたら、「じゃあ次回は●月●日●時です。さようなら」と言われてあっけにとられました。

妊娠中に支払ったものといえば、

  • 尿検査用の容器(30円弱)
  • グルコース(糖尿病検査用、100円弱)
  • 栄養剤とお茶(医師に進められたものだけなら月300円、個人的に購入していたものが月1500円)
  • 蕁麻疹の薬(500円くらい)
  • カンジダの検査(1300円くらい)
  • 交通費(バス代片道90円ほど)

以上(笑)。

ちなみに、私は一年間の一時ビザを持っている状態なのでバス代はタダになりませんでしたが、長期居住権や国籍保持者はバス代も妊娠中はタダになるようです。

出産にかかった費用

さて、妊娠中の診療や検査費用は無料なものの、さすがに産院での出産が無料なわけはないでしょう、と思っていたのが妊娠3~4カ月のころ。ところが、何人かの知り合いに聞くところ、「私は何も払わなかったわよ」というのです。そうこうしているうちに分かったことは

  • 公立の産院は基本無料(自然分娩、帝王切開とも)
  • 和痛分娩には5万円相当くらいの料金(無料のところもあり。医師が必要と判断すれば無料になることもあり)
  • 私立の個人病院は有料

という感じです。公立の産院は、比較的大きな病院が多く、24時間体制で受け入れをしています。知り合いのつてで担当医師が決まっているか、帝王切開などで日にちがあらかじめ決まっているわけでない限り、事前に産院に行く必要はなく、陣痛が始まった、あるいは破水した時点で病院へ向かうという制度でした。

出産から退院まで

産院の病棟からの眺め

私は友人の勧めでベオグラード中心部にある総合病院内の産院で出産することにしました。

その産院では12人の助産師さんが交代でスタンバイしているらしく、出産時は代わる代わる色んな医者や助産師さんが診に来てくれた感じです。

無事に出産を終え、入院部屋へと移動。私は自然分娩で特に問題もなく出産できた(二度と経験したくないくらい痛かったですが!)ので、産後すぐに赤ちゃんのお世話が始まる「ベビーフレンドリープログラム」というものが適用された5人部屋での入院となりました。出産二日目の朝10時から翌日の朝5時まで、2度の休憩をはさんでほとんど赤ちゃんと一緒の時間を過ごします。賛否両論あるプログラムですが、かわいい赤ちゃんがすぐそばで寝ているのを見るのはなかなかの幸せ。ただ、10メートル先のトイレに歩いていくのもままならない産後2日目はちょっときつかったです。。

食事はというと、日によって「これは旨い!」と思えるものと「まぁ食べれるか…」というものとムラがありました。でも量は十分で、パンには全粒粉のものを使ったり、野菜多めだったりと健康に良いものを出してくれている感じはありました。ケーキなどのおやつがでることも。個人的には食事は「無料なんだから十分すぎる!」という感じでした。文句があるとすれば、この一点。トイレとシャワー室の衛星面がちょっと辛かった。部屋にトイレとシャワー室がついているところもあるようですが、私は割と元気な人の部類に入ってしまったため、10部屋以上の女性が皆使う共同トイレとシャワー室でした。「無料だからしょうがない」ですが、普通の日本人にはちょっと厳しいレベルです。

入院中には、

  • 授乳の相談を受け付ける助産師さん
  • 注射や飲み薬を配る看護師さん
  • 検診をするお医者さん
  • 赤ちゃんにミルクをあげる看護師さん
  • 赤ちゃんに必要なものを配る看護師さん
  • 清掃員さん

などがかわるがわる部屋を訪れ、十分にケアされていると感じることができます。入院中は、世話好き、外国人に優しいセルビア人の皆さんですから、同じ部屋の人たちが分からないことを色々教えてくれたり、看護師さんや助産婦さん、お医者さんたちも皆、フレンドリーで安心して過ごせました。

入院した部屋の様子

で、実際に入院中に支払ったのは

  • パンパース一袋とウェットティッシュ一袋(入院中の赤ちゃんが使えるように皆が寄付する感じ)
  • キオスクで買った水やお菓子などのお金
  • タクシー代

以上です(笑)

同じ部屋にいた人は、対応が悪いだの何だのと文句を言っている人もいましたが、私としては「無料なんだから少しは目をつぶれば?」という感じでした。

 

さらにセルビア国籍なら、一人目の子供には10万円ディナール(10万~11万円相当)を一括で、二人目以降は月に一万円ディナールを二年間もらえるそうです。現地の平均所得を考えれば、日本の出産育児一時金と同じくらいの価値はあると思います。私たち夫婦は現地で二人とも外国人なのでもらえませんが、それでも、セルビアの健康保険で妊娠~出産費用をほぼ全てカバーしてもらえたのは本当にありがたいものでした。

私が住んでいる家から徒歩10分圏内に、同じ時期(前後1カ月)に出産した人が知っている限りで3人います。それくらい、この国で多くの女性が出産しているのは、子供を大切にする文化、先のことを考えすぎないメンタリティに加えて、費用のことをあまり真剣に考えすぎなくていい制度になっているからではないか、と感じました。

長いようで(きっと)あっという間の育児生活が始まりました。機会があったら現地の子供の医療ケアについても記事にしてみたいと思っています。最後まで読んでくださりありがとうございました。

海外キャッシングは「お得」だけど、使うATMに要注意!ぼったくられる可能性あります(経験済み)

海外旅行や出張など、海外に滞在しているときのお金をどうするか(どう持っていくか)という話で、ネットで調べると「クレジットカードの海外キャッシングが一番便利でお得」というようなページがたくさん出てきます。

先日、「国際キャッシュカードと比べても、クレジットカードでキャッシングして、次回の支払日に一括返済するほうが手数料が安くて済む」という情報を読んで、一度試してみることにしました。

私が持っている国際キャッシュカードは手数料が引き出し額の3%+200円です。クレジットカードは、キャッシングする日から返済日までの期間によりますが、次回支払日の一括返済で1.5~3%の手数料(利息)になります。キャッシングした場合の次回支払いは、翌々月の3日なので、できるだけ月末に近い日にキャッシングすればそれだけ利息が低く抑えられます。

ということで、先月末ごろに現地通貨セルビアディナール(RSD)でATMから70,000ディナール分、キャッシングしてみました。当日のMaster Cardの為替レートは 1 JPY = 0.9 RSD くらいでしたので、キャッシング額は7万7千円~7万8千円くらいを予想していました。

 

ATMのぼったくりに驚愕する

自分でATMに行けばよかったのですが、当日は外に出る用のあった夫に引き出しをお願いしました。(これが問題だった。)

夫は、円とディナールの為替レートなどチェックしていませんので、どれくらいが良いレートでどれくらいが悪いレートかなど知りません。ただただ、私がお願いしたとおりに7万ディナールをキャッシングしてきてくれました。

ただ、その時にATMに以下のような画面が表示されて、それが通常、現地の銀行カードで引き出したり、国際キャッシュカードで引き出したりする時にはなかったものなので、何となく気になったらしく写真に撮ってきてくれました。

内容は、「表示の為替レートでOKですか?」という確認画面で、レートは 1 JPY =  0.832751 RSDとなっています。

そのレートを見た私はもうガタガタブルブル。

7万8千円くらいのキャッシング予定が、8万4千円くらいになってる!!!

つまり、予定より6千円も多くとられてしまったということです!大ショック…

 

Master Cardのレートはすでにチェック済みだったので、きっとセルビアのATMでキャッシングするときの為替レートが悪いだろうという話になり、一体何%とられたのか、計算してみると…10%も上乗せされていることに。。なんじゃそりゃぁ!!!

自分でATMに行けば、すぐに気づいてキャッシングしなかったのですが、今となってはあとの祭り。さらにこの額に1.5%くらい、キャッシングの利息が付くわけなので今回の引き出しでは、11.5%の手数料、と大損になりました。

 

二日後、極悪レートの海外ATMが存在するらしいことに気づく

夫には「もう今回のことはしょうがないよ。あまり落ち込まなくていいよ」といわれましたが、なんだか腑に落ちないモヤモヤ感が抜けないまま過ごすこと2日間。

どうも気になって、「海外キャッシング ATM レート」で検索すると、検索結果の一番最初にこんなページが表示されるではありませんか!

極悪レートの海外ATM増加中。海外キャッシングで注意するポイント

内容を読んでみると、まさに私が今回遭ったケースと同じようなことが書かれています。

悪質レートのATMの上乗せ額は、ATMにより4~12%も上乗せされるとのこと。悪質レートを表示したATMのリストの中には「セルビア Raiffeisen(ライファイゼン)銀行ATM」も入っていました。先日使ったのはRaiffeisenではなく、Addiko bankでしたが、このほかにもセルビアの悪質レートATMとして「Komercijalna(コメルツィアルナ)銀行ATM」も挙げられていました。

Raiffeisenはオーストリア系の大手銀行、Komercijalnaはセルビアの大手銀行です。セルビアには悪質レートを上乗せするATMが結構多いのかも(?)しれません。。

 

とにかく、このぼったくり感は半端ないので、これから海外に行って現地でキャッシングすることを考えている人は、↑で紹介したサイトを必ず熟読することをお勧めします。

セルビアで悪質レートでないATMがあるのかどうか、しばらくいろんなATMで試してみようと思います。結果は随時こちらに報告していきますね。セルビア旅行でキャッシングを考えている方は十分に気を付けて下さい。

 

生まれて初めて国境に置き去りにされた件(セルビア~マケドニア)

何回やっても慣れることがなく、いつも不安な気持ちになるのが、陸路での「国境越え」です。今いる国の国境でパスポートを渡して「出国」スタンプを押してもらい、そこから50メートルくらい先の隣国の国境でまたパスポートを渡して「入国」スタンプを押してもらう、というシンプルなプロセスではあるのですが、我が家にはたいていの場合ドラマが待っています。

この記事を読んでいる日本人の皆さんと同様、私は「世界一自由なパスポート」ともいわれる日本のパスポートを持っているため、大抵の国にビザなしで入国することができます。が、カザフスタン国籍を持つ夫の場合はそうはいきません。

この夏も、セルビアからマケドニアを通って、アルバニアへ旅行するという計画を立てた私たちには、旅の初めからトンデモな出来事が待っていました。

セルビアからマケドニアへ

去年の夏にマケドニアのオフリト湖で休暇を過ごし、風光明媚な場所が気に入った私たちは、今回海のあるアルバニアに行くついでに、オフリト湖近くに一泊しようという計画でいました。

バルカン半島を旅行する人は、各国を回ることが多いので、コソボを除いてセルビア→マケドニア→アルバニア→ボスニア・ヘルツェゴビナ→クロアチア、あるいは、その逆ルートでぐるっと周る人もおられると思います。今回計画していたのは、そういうバルカン一周旅行の一部だけを切り取ったようなセルビア→マケドニア→アルバニアの旅でした。

待ちに待った8月末。既に宿もBooking.comにて予約済み、バスのチケットも購入済み、あとは現地に行くだけ!そして出発!

セルビアの首都ベオグラードを夜12時に出発し、翌日の午前9時にはオフリトにつく長距離バスの利用です。すでにオフシーズンのため、オフリト行きのバスはガラガラで、ゆったりとした気持ちで出発し、まどろむこと数時間。午前4時か5時ごろには、すでに国境まで来ていました。

眠気眼でバスから降り、セルビアの国境にて出国スタンプを押してもらい、バスの中へ。数十メートル先のマケドニアの国境では、バスの運転手さんが皆のパスポートを集めて、まとめて入国スタンプを押してもらいにバスから降りていきました。

数分後、警察がバスに入ってくるなり、私の夫の名前を呼びます。夫は警察官とバスの外に降りていきました。

「いったいなにが!?」という思いがこみ上げる中、待つこと15分…。でもこの時点では、マケドニアに入国するのにビザがいるなんてことは全く思いもよりませんでした。去年はビザなしで普通に入国できていましたし、最近の夫は(過去の色々な経験から)国外に出るときは必ずビザ情報を確認するようにしているからです。

15分後、戻ってきた夫は「マケドニアに入るのにビザが必要になったらしい。」と…。

これまでは、国境まで来る前に(=旅の直前に)ビザが必要だった!と気づくケースか、国境でビザ不要なのに「ビザが必要だ」とか難癖をつけられて揉めて、結局大丈夫だった!というケースかのどちらかだったので、まさに国境まで来てストップがかかるのは初めて。

一瞬のどの詰まりました。この先は夫は入国不可=私だけ先に進む意味なし=二人でここでバスから降りることに。。

バスの運転手さんは「すごく残念だ」と申し訳なさそうに、私たちの荷物をバスから降ろし、そしてバスはマケドニアへと入ってきました。

夫が国境で聞かされた情報によると、つい2か月弱前に、カザフスタン国籍の人にはマケドニア入国にビザが必要ということになったばかりで、夫の前にも一人、カザフスタンの人が同じように国境で追い返される羽目になったとのこと。在セルビアの日本大使館ならこういう情報はすぐにメールで告知してくれるでしょうが、カザフスタン領事はそういうことは基本してくれません。夫は、旅の計画をしていた2カ月前にビザのチェックをして、大丈夫だと思っていたとのこと。このタイミングで…

※今、マケドニアでは「北マケドニア共和国」に国名を変更するかどうかでいろいろ政治的な動きがあります。個人的にはこれが今回のビザ要求の変更へとつながったのでは…という気がしています。(本当のところはわかりませんが)

 

国境で降ろされた私たちのその後

まずは、マケドニア側の国境でバスから降ろされたので、とぼとぼ50メートルほど歩いて、セルビア側の国境へ。いわゆる高速道路の料金所みたいな感じで、たいていの人は車の窓を開けて、窓口の警察にパスポートを渡し、スタンプを押してもらって先に進みます。私たちはそんなところを、歩きで窓口まで来て、パスポートにスタンプを押してもらう…という、変な人たち。

無事にセルビア側に入国し、その辺に立っている警察(警備員?)の人に、「ベオグラード行きのバスはいつ来るか?」と聞くと、「1時間後くらいに一台来るはずだ」と。「ちょっと先のガソリンスタンドに行けば座ってコーヒーも飲めるよ」と親切に教えてくれたのだが、「ちょっと先」は見たところ重い荷物を持って歩いて15分くらいかかりそう。万が一、バスが早めに来て乗り遅れたなんてことは避けたいので、その辺にある木の板に腰かけて待つことに。

もうこの時点で、私は「今年はアルバニアでのシーフード三昧は夢の泡。。セルビアの温泉にでも行ってゆっくりするか」と考えていたのですが、夫は何としてでもアルバニアに行く気満々。モンテネグロは確実にビザなしで入れると確認できたので、まずは一旦、ベオグラードの家に戻って、数時間仮眠して、夜にモンテネグロ経由のアルバニアに向けて再出発することになりました。

そして待つこと約1時間半。朝の6時半ごろだったと思いますが、「1時間で来る」と言われたバスは、30分も遅れてようやくやってきました。ちょうど、バスから皆、一度降ろされて入国手続きしていたので、それを待つバスの所まで急いで行って、「ベオグラードまで2席あるか?」と聞くと、「ある」とのこと。

「よかった、これでせめてベオグラードに帰れる。」と心の中で静かに喜びつつ、バスに乗り込んだのでした。

夜の12時に出発して、国境で早朝に起こされ、戻りのバスにのってベオグラードに戻ったのが昼の12時ごろ。ろくな睡眠もとれないバスの旅はなかなかハードでした。それでもまたこの日の夜に再出発しようとしていた私たちは、いったいどれだけアルバニアに行きたかったんでしょうね。。。

 

この記事で何が書きたかったのか…と、ここまで書いて今さら思いますが、これまでも「国境で降ろされたらどうなるんだろう…」と思うことが時々あって、それがこの時に現実になってしまったのですが、まぁそんなに怖いことは何もなくて、ただ単に余計な出費と時間とエネルギーが消費されるだけだった、ということが分かったので、それを書きたかったんだと思います。

実際にアルバニアのデュラスに行った感想はこちらに書いていますので、暇を持て余している方は読んでみてください。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

※記事最初の写真は、セルビアかマケドニアの田舎の写真。去年マケドニアに行くときに取ったものです。バスで移動するとこんな風景をよく見かけます。

アルバニアの海沿いの街ドゥラスはシーフードのイタリアンが格安&めちゃ旨な穴場スポットだった

この夏の終わりに、セルビアの隣国の隣国、アルバニアのドゥラス(Durres)という場所に行ってきました。セルビアとアルバニアは歴史的、民族的な背景からあまり関係が良くなく、セルビア人で夏の休暇にアルバニアの海に行くなんて言う人はほぼいません。他のヨーロッパ人と変わらず海好きなセルビア人ですが、ギリシャに行く人たちが70%くらい、そのほかの人たちはモンテネグロ、トルコ、クロアチアなどに足を運びます。

そういう環境に住んでいるので、去年くらいまでは「アルバニアに旅行する」なんて考えたこともなかったのですが、セルビアに住む知り合いのロシア人家族の一言で一気にその考えが変わりました。

彼らはセルビアナンバーの車でアルバニアに行き、何の問題もなく旅行を満喫して帰ってきたとのこと。人々はとてもフレンドリーで、治安も悪くないし、海鮮が安くて美味しい、海がきれいなどなど、まさに「べた褒め」

その話を聞いてから、何となく「アルバニア」という場所が気になり始めたのか、ほかのロシア人もアルバニアに旅行に行ってすごくよかったと言っているらしい話が色々聞こえてくるようになりました。

本当はモンテネグロの海沿いにも行きたかったのですが、シーズン中のモンテネグロの海岸沿いは宿が高いし、モンテネグロの人は自分たちではあまりシーフードを食べる国民ではないせいか、モンテネグロにいってシーフードがおいしかったとかいう話もあまり聞こえてきません。(実際は美味しいのかもしれませんが)

内陸国かつ肉好き魚嫌いが多いセルビアで、新鮮でおいしいシーフードに飢えていた私は、アルバニアの海にどうしても行きたくなっていました。

 

遠かった…でも美味しかった!

しかし、アルバニアは遠かった…。詳細は別の記事に書こうと思いますが、予定していたマケドニア経由で(マケドニアで一泊して)アルバニアに行くという計画がダメになり、モンテネグロを通ってノンストップでアルバニアに行くことになったのが「遠かった」「疲れる長旅だった」と感じた大きな原因です。

夜の23時にセルビア、ベオグラードを出発して、モンテネグロの首都ポトゴーリツァについたのが朝の9時。夜行バスですが、日本のようなラグジャリーな夜行バスではなく、普通に座っていく長距離バス。しかも満員御礼で足を延ばす場所もろくにない、まさにエコノミー症候群の一歩手前くらいの状態でモンテネグロにつきました。

バスステーションでドゥラス行きのバスのチケットを頼むと、午後1時に出発とのこと。バス乗り場に隣接するカフェで時間をつぶすこと4時間。

ようやくアルバニアに向けて出発、ドゥラスまで直通のバスかと思ったら、アルバニアに入ってすぐごろに別の長距離バスに乗り換えさせられ、さらにアルバニアの首都ティラナで小さなミニバンに乗り換え…。宿についたのは18時ごろでした。

以下が、今回通ったルートです。およそ620キロの道のり。
地理的にはこんなに近いのに1日半の旅…。1日半あったら、ベオグラードから日本の実家まで帰れるよ…と思ってしまった。

しかし、ドゥラスのシーフードは、期待を裏切りませんでした。そんな長旅をしてでも「来た甲斐があった!」と思えるおいしさと安さ!

 

ドゥラスでイタリアンが美味しい訳は…

地図を見ていただくと分かりやすいですが、アルバニアはアドリア海をはさんでイタリアの対岸にあります。そして実はこのドゥラスという町は、イタリアのバーリという町と船でつながっています

そのため、結構イタリアからもドゥラスを訪れる人が多い模様。アルバニア自体はセルビアと比べても「貧しい国だな」と思ってしまう雰囲気が至る所に見られますが、ドゥラスの特に船着き場から中心地あたりは、おしゃれなカフェやレストランもありました。(以下の写真は町中の様子)

ドゥラスの海岸は広くて、砂地、海の水もきれいで浅瀬がけっこう続くので、「子供連れの観光客にぴったりな」という感じの場所です。ありとあらゆるヨーロッパの言葉が聞こえてきました。(9月に入ってオフシーズンだというのに人が多い…)

 

そんなドゥラスですが、イタリアとつながっていて、イタリアからの訪問客もいるからこそ、イタリアンレストランが至る所にあり、もちろん海沿いの街ですから、毎日新鮮な魚介類が獲れるわけで、美味しいシーフードのイタリアンが食べれる!ということです。

もちろん、シーフード以外のピザなどもとても良かったです。また、露天のアイスクリーム屋さんもそこら中にありますが、味も本格的で、こういうところにもイタリアの影響があるのかな~などと思いました。

ちなみに、アルバニア料理はどうなのか…というと、「ブレク」という、薄い生地が何層にもなった中にチーズやお肉、ホウレンソウが入ったパイっぽい感じの食べ物は本場だなという感じで、美味しかったです。(ファストフードのお店でも、どこでも売ってます)

でも幾つかのアルバニア料理のレストランで食べたのは、日本人にはどうかなぁ…という感じでした。夫はシチューみたいなのを頼んでおいしいと言っていましたが、私は同じ値段を払うならイタリア料理のほうがいいなと思った次第です。でもレストランによりけりだと思うので、アルバニアに行く機会があったら一度挑戦してみてもいいと思います。

 

ドゥラスのおすすめイタリアンレストランBEST3

滞在中にいろいろ行った中で、今でも記憶に残る料理を提供してくれた3つのレストランをご紹介します。

Restaurant Piazza

公式サイト:http://www.restorantpiazza.com/

観光客でにぎわう海岸沿いではなく、船着き場に近く、街の中心地に位置するレストラン。ウェイターさんにもイタリア人がおり、レストラン内の雰囲気、サービスともに洗練された感じです。一見「値段高めのレストランなのではないか…」と不安になった私たちですが(笑)、いたって良心的な価格です。日本のファミレスと同じくらいの予算でおなか一杯になるくらい食べれると思います。

軽めの昼食ということで、私たちが頼んだのは、魚のスープとボンゴレビアンコ。一見するとなんてことないポタージュスープですが、スープは魚の旨味がぎゅっと詰まっていて、全く魚臭くなく、最高の味!でした。

ボンゴレの味も絶妙で、久しぶりのアサリ!!とにかく幸せな気持ちになる味です。長らくシーフードを食べていなかった私は、「新鮮な魚介を使うとこんなにおいしい味になるのか…」と改めて感心してしまいました。

ドゥラスにもし行く機会があったらこのレストランには絶対に行ってほしい、おすすめNo1の場所です。場所は、ドゥラスの中心地から南側へ、海沿いに出たあたりにあります。

 

Bar Restarurant Spiranca

シーフードリゾットが激ウマだったレストラン。ちゃんと「リゾット米」が使われていて、ほんの少し芯が残りながら、固くない絶妙な噛み応え、そしてシーフードのブイヨンスープとの味わいが素晴らしいリゾットでした。私の父は釣りの趣味が高じて、釣ってきた魚でイタリア料理を作ることにはまってしまい、現在はお客さんを呼んではかなり本格的なイタリア料理を作ってふるまっているような人なのですが、このリゾットは父親にも味見してもらいたいと思えるくらい良い一品でした。

しかも、超リーズナブルプライス。リゾットやパスタは500円前後で注文できます。食べるのに夢中になって写真を撮るのを忘れてしまった…。

場所は、ドゥラスの海岸と並行する大通りに位置しています。

 

Queen Pizzeria

滞在中、3回も足を運んだレストラン。Google mapのレビューを見ると、ピザが美味しいレストランという感じですが、ピザは評価通り、ピザ以外も色々美味しかったです。

白身魚の丸焼きとか、つまみのイカフライとか…。普段から海鮮に囲まれている日本人ならば、「まぁこんなものか」くらいかもしれませんが、セルビアではどう頑張っても、鮮度が落ちてそこまで美味しいものが食べれないので、私としては大満足でした。

サラダからパスタ、ピザまで、どれもボリュームたっぷり。リーズナブルな価格。二人でおなかいっぱいになるサイズのピザが800円くらいで食べれます。(ピザはどう頑張っても食べきれなかったので残りをテイクアウトしました。)

場所はドゥラスの海岸のちょうど真ん中あたり、海岸に並行する大通り沿いにあります。

 

番外編:イタリアンではないが…ドゥラスで寿司が食べれると人気のレストランGusto di mare

アルバニアで寿司が食べれる!!?と驚きましたが、かなりの高評価だったので、行ってみました。さすがに純日本の寿司という感じではなく、写真のような、サーモンとチーズの巻きだったり、ウナギの巻き寿司にはパン粉がちりばめられていたり…と、ヨーロッパ人のテイストに合わせた寿司なっていますが、やはりネタが新鮮なだけあって良い味でした。

パン粉がのった寿司は初めて食べましたが意外と触感もよくて、いけます。価格はこのボリュームで1600円とちょい高めですが、満足度は★5つ。おそらくですが、季節やその時に取れる魚によって出てくるものが違うのではないかと思います。

場所は、一番最初に紹介したRestaurant Piazzaからさらに西側に向かって海沿いを歩いて行ったところにあります。たくさんレストランが並んでいる中の一つです。

 

アルバニアというと、なんだか物騒なイメージがあるかもしれませんが、人々はとても親切で、宿やレストランでのスタッフの対応もどこも気持ちの良いものでした。海や街自体は、さほど写真映えするような場所ではありませんが、アルバニアの南部の海岸沿い、ギリシャにほぼ近いあたりはもっと風光明媚だと聞いています。

セルビアからは近いようで本当に遠かったので、またいつ行くか…という感じですが。。日本からわざわざアルバニアまで、そしてドゥラスまで足を運ぶ機会があったら、ぜひおすすめのレストランで美味しい料理を楽しんでください。

なぜかセルビアに移住するロシア人たち。ロシア人から見たセルビアの良いところとダメなところ

セルビアには、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニアなどを始めとするバルカン地方の国の人たちや、いわゆるジプシーのロマ人、ハンガリー人(マジャール人)などがたくさん住んでいますが、それに加えて最近増えているのが、ロシアやウクライナなどから移住する人たちです。既にロシア語圏からの人が約4000人はセルビアに住んでいると言われており、この数は増え続けているとのこと。

そもそも、ロシア人は他の国に移住することに抵抗を感じない人たちで、より経済状況の良いドイツやその他のヨーロッパ諸国へ、あるいはバケーション感覚でトルコやタイの海沿いの地域に移住する人たちは決して少なくなくありません。しかし、セルビアは海があるわけでもなく、ドイツのように経済状態がいい訳でもない。仕事がなくて困ったセルビア人がより良い生活を求めて国外へ移住していく中、あるロシア人たちがセルビアを好んで選ぶのはある意味、不思議でもあります。

今回は、セルビア在住のロシア人たちから見聞きしたことや私の個人的な体験をもとに、なぜロシア人はセルビアに移住するのか、彼らがセルビアについて感じている良いところとダメなところをまとめてみました。

 

ロシア人から見たセルビアの良いところ

治安がいい。子供たちが自分たちで学校に行ける。

モスクワなどの大都市では特に、子供たちの安全を考えて学校や習い事に親が送り迎えするのが普通のようです。また、夜9時以降に子供たちが外をうろつくなどというのは危なくて許せるものではないとのこと。あるロシア人の女性は、子供たちを学校に送り出し、迎え、習い事に連れていき、迎え…というのの繰り返しで5年間が虚しく過ぎたといっていました。ロシアは周知のとおりアル中の率も高く、夜は特に道端で危険な目に遭わないよう、大人でもなるべく独り歩きをしないなど気をつかって生活しているのが普通です。

セルビアはどうかというと、首都のベオグラードでも暗くなってから親子連れも若者たちも普通に街中を歩いているし、学校にも習い事も自分たちで行き帰りしている。この治安の良さはロシアにはないと評価しているようです。

日本人の私としても、ベオグラードは夜の一人歩きもさほど不安にならない、東京と似たような安心感のある街ではないかと思います。もちろん、中年のセルビア人なら「今は物騒な世の中になった」という人が大半でしょうが、それは東京でも他の都市でも言われていることですので、「相対的に見て」治安は良いと言えると思います。

夕暮れにベオグラード中心の要塞(カレメグダン)で一時を過ごす若者たち

 

 

アル中が少ない

アルコール中毒の親族やご近所さん、仕事仲間などに散々な思いをさせられてきたロシア人にとって、セルビアのアル中の少なさはまさに朗報。セルビアを含むバルカン地方の人々も40度を超える強いお酒(ラキア)を毎日飲むのが日課になっていることが多いですが、彼らはロシア人のように「酒に飲まれる」人はかなり少ないです。セルビアの田舎では、朝のコーヒーと共に小さなグラス(50mlくらい)のラキアを「健康のため」に飲んだり、夕方以降、お隣さんや友人などとの「会話を楽しみながらラキアを嗜む」といったことが習慣になっていたりします。一方、ロシア人は多くの場合「つらい状況を忘れるために」強いウォッカを飲んでしまうため、依存症になりやすいのかもしれません。

セルビア人がこよなく愛するラキア

 

新鮮な肉、野菜や果物が安く買える

ロシアをはじめとして、ロシア語圏は基本寒いです。冬の間は特に野菜や果物は地元で育たないため、基本、温かい国や地方から輸送されてくるものを買うことになります。当然、鮮度は落ち、価格は高いということになります。モスクワは物価が高いことでも有名な都市ですが、そこからセルビアに移住してくるロシア人は、セルビアの生鮮食品の鮮度と安さに大喜びすることとなります。

また、セルビアは肉好きなだけあって、お肉の質もやはりロシアとは違う。ロシア人の姑がセルビアに遊びに来た時は、セルビアのお肉の柔らかさと美味しさに感激していました。「私が普段食べているのはゴムのような肉だわ」と。確かに、寒く厳しい環境で育つ牛や豚の肉はどうしても固くなってしまうのか、カザフスタンにいた時は肉料理は基本、煮込み系じゃないと硬くて食べれませんでした。

この写真はイメージです

 

セルビアはゆったりしていて過ごしやすい

モスクワの地下鉄の通勤ラッシュは、東京のそれと負けるに劣らず大変です。セルビアは首都のベオグラードでも人口は150万人程度と多くなく、人口密度もさほど高くありません。大都市ならではの混沌や忙しさに疲れ切ったロシア人は、セルビア人の急がないメンタリティもあってか、ゆったりと流れる時間にホッとするよう。

もちろんセルビア人も忙しくないわけではなく、子どもがいてフルタイムで働くお母さんの話などを聞くと大変だなとおもうこともよくあります。通勤ラッシュの頃の渋滞やバスの混み具合も楽とは言えません。

ただ、人ごみで道をまっすぐに歩けない東京や香港のようなメガロポリスの喧騒を経験すると、セルビア人は何だかやっぱりゆったりと生きていると思ってしまいます。おそらくモスクワなどの大都市から来たロシア人が感じる「ゆったり」はそういうことなんじゃないかと。

 

ベオグラード中心部の公園

 

セルビア人はお金にケチケチしていない。

セルビア人の不思議なところ。お金はないのですが、お金にケチケチしている人が少ない。この間話したあるロシア人も、「モスクワじゃスーパーの会計でお金が足りないことが分かって『足りない分、明日持ってきます』と言ったって誰も信じてくれないし、そのまま会計が通るわけがない。セルビアじゃ、店員のほうから『まあ、足りない分は明日持ってきてください』といって売ってくれるのよ!信じられる!?」と興奮気味に言っていました。

 

気候がいい

生まれつき寒い国に生まれたロシア人だからと言って寒いのが好きなわけではありません。かといって、タイやトルコなどは暑すぎて耐えられなかったりする。ロシア人にとっては、セルビアの気候は暑すぎず寒すぎず、雨の日も少なく、移住先の気候としては理想的といえそうです。年によっては夏の暑さが40度を毎日超えることがあるのが唯一の難点かもしれません。そしてそんなに暑くなるのに海がないこと。でも近くにギリシャやモンテネグロ、クロアチア、アルバニアの美しい海があるので、そこは目をつぶれるかも?

温暖な気候で緑豊かなセルビア

 

言語も文化も似ている

同じスラブ語系に属するロシア語とセルビア語は、発音やイントネーションはかなり違うものの、似ている単語も多く、文法も似ているため、ロシア人にとってはかなり習得しやすい言語です。大抵、ロシア人はセルビアに来て3~4カ月で基本的な会話ができるようになります。また、文化的な面でも、旧共産主義国だったり、大半の人は正教会を信仰していたりと、似ている面が多く、ロシア人にとっては馴染みやすいコミュニティと言えます。何と言っても、セルビア人はロシア人が大大大好きなので、そういう意味でも住み心地は良さそうです。

 

ロシア人から見たセルビアのダメなところ

美容室や修理などのサービスのレベルが悪い

セルビアのゆったりしたメンタリティが裏目に出るのがサービスの質です。美容室についていえば、きちんとトレーニングを受けた美容師が本当に少ないのが素人目線でも明らかです。知り合いの腕のいいロシア人の美容師さんのもとには、セルビアのサロンで困ったことになったロシア人がこぞってやって来ています。

美容室以外にも、家や車、パソコンの修理などが必要になったら、「必ず」知り合いのつてで、腕の良い修理士を紹介してもらわないといけません。そうしないと、ちゃんと修理してくれないか、最悪の場合、良い部品を取られて質の悪い部品に交換されているということもあり得ます。しかし、腕が良くて正直に働く修理屋さんはいつも忙しいので、すぐに来てもらえないこともあったりします。

ソーラーパネルの取り付けを事業にしている知り合いのロシア人は、セルビア人の労働者はクオリティを意識せず適当に働く人が多いので絶対に雇わないことにしているそうな…。

このように、セルビアのサービスレベルに関しては、多くのロシア人がもどかしさといら立ちを感じているようです。

 

仕事がない。特に外国人は。

ヨーロッパとはいえ、このバルカン半島の国々の経済状況は良いとは言えません。セルビアの失業率は20%以上、平均月収は250ユーロと言われています。仕事があったらあったで週6日勤務が普通だったりと、労働環境も良くなかったりします。このセルビアの失業率を少しでも改善する目的なのか、外国人よりセルビア人を優先して雇用し、必要とされている業務をこなせる人がセルビア人の中に見つからない場合には外国人を雇ってよい、というような決まりがあるようです。なので、よほどセルビアでニーズの高い専門的職を持っているのでない限り、外国から移住してきて、どこかの会社に職を見つけるということは期待できません

なので、ここに住むロシア人は大抵、会社を作る(個人事業主になる)か、フリーランスになるか、のどちらかの選択を迫られることになります。自分の会社を持てばそれを理由に長期滞在ビザももらえますが、フリーランスの場合に長期でセルビアに住むのは少し面倒くさくなります。3カ月に一度、国外をでて観光ビザを更新するか、不動産を買って不動産所有の長期滞在ビザを発行してもらうかのどちらかです。実際、フリーランスとして住み続けるのが大変になり、本国に帰ることにしたロシア人もいます。

 

暖房費、ガソリン、税金、輸入商品が高い

モスクワなどと比べれば家賃はぐっと安くなるものの、毎月出ていく光熱費、特に電気代や、ガソリン代はロシアと比べて割高です。ガソリンはロシアの二倍の価格ですし、冬場のセントラルヒーティングのために、冬場だけでなく夏場も、毎月50~100ユーロ(約6000~12000円。家の大きさによる)払わなくてはいけないのは、ロシア人には理解しがたいシステムといえます。

個人事業主の場合は、月の収入にかかわらず、最低9000円程度が税金と年金、健康保険料として出ていき(日本からしたら夢のような安さかもしれませんが…?)、さらに個人事業主は基本、会計士を雇わないといけないのでそれに毎月最低6000円程度。移住してきて、言葉もまだよくわからず、固定客もいないなかでこれだけの固定支出があるのは中々厳しいもの。

さらに、オンラインショッピングの大好きなロシア人にとって悩みの種は関税の高さ。50ユーロ以上の買い物では関税が20%以上かかるため、AliExpressでスマホなどの電子機器を買えば、かならず20%(酷いと30%くらいのときも)の関税が上乗せされてしまいます。ロシアやウクライナ、中国などから商品を仕入れてセルビアで売るというビジネスを展開したいロシア人にとっても、この関税はかなり厄介な存在のようです。

 

バルカンの食事に飽きる

肉、肉、肉…の食事に飽きるロシア人は実は結構います。ロシア人は魚も結構よく食べるし、寿司も大好きな国民。また、ロシア料理だけでなく、中華料理、韓国料理、中央アジアのエスニック料理、寿司、イタリア料理…など、結構いろんな食文化に興味を持ち、チャレンジ精神があります。

セルビア人は食に関しては、自国文化にかなりの自信と誇りをもつ人たち。そして、魚はあまり好きではなく、生魚を使った寿司はもってのほか。90%以上のセルビア人は寿司が嫌いだと思います。(私自身、「寿司が好きなんだ」というセルビア人に会ったことがまだありません)

そんな人たちなので、街中のレストランも、セルビア(バルカン)料理とピザ、パスタを中心としたイタリア料理が大半を占めます。寿司を含む日本料理屋やロシア料理、中華料理などを展開するレストランもありますが、かなり少数派で、セルビア料理レストランと比べるとどこも割高。

どこにでも寿司バーがあるモスクワとは違った、バルカンの食事情に飽きてくるロシア人は少なくないようです。とはいえ、ロシア人も基本は肉とジャガイモとパンが食の中心ではあるので、家にロシア料理が作れる奥さんがいれば十分かもしれません。

 

まとめ

以上の長所、短所を見てみて、「なぜロシア人はセルビアに移住してくるのか」を改めて考えると、やはり家族で住むことを考えた時の安全面や、言語の習得のしやすさ、文化への馴染みやすさ、気候などが大きなウェイトを占めているのではないかと思います。質の悪いサービスは知り合いのつてでロシア人か腕のいいセルビア人の修理屋さんを紹介してもらうとか、高いガソリン代、光熱費などは節約するとか、自分である程度コントロールできますし。あとは収入減となる仕事さえ何とかなれば…ですね。

ロシア人は移住先でもロシア人同士の交流があって、その中で仕事を見つけたりもできるので、セルビアでのロシア人コミュニティが大きくなってきている今、さらに今後増えていく可能性は高そうです。セルビア人はきっと大歓迎でしょう。日本人は少ないですが、日本人としても居心地がいいと相変わらず感じているので、興味のある方はぜひ。まずは旅行に来てみてください。ということで、Welcome to Serbia! Welcome to Belgrade!

 

借金とプレゼントでまわるカザフスタンの経済と金銭感覚

カザフスタンという国から離れて2年半が経ちました。良い思い出もたくさんあり、出会った人たちのことや、あの冬の極寒の空気、一面に広がる地平線など、懐かしく思い出すこともあります。ただ、懐かしい…くはあるのですが、また住みたいかというと、それは別の話で。時経つうちにいい思い出だけが残るという感じですね。

カザフスタンにはなかなか受け入れにくい「常識」があって、それは長く住めば住むほど強烈に感じるようになっていたというのが本音です。その一つが今回のテーマの「お金」あるいは「金銭感覚」。セルビアも色々ありますが、カザフスタンのレベルはやっぱり尋常じゃないなと。どんな金銭感覚なのか、振り返ってみました。

 

スーパーのお釣りはどんぶり勘定。でも店側が決して損をしないようになっている

どいうことかというと、スーパーに言って買い物をし、例えば合計金額が1062円(わかりやすくするため現地通貨ではなく円で書きます)だったとします。こちらが1100円支払うと、お釣りで戻ってくるのは38円になるのですが、大抵の場合、戻ってくるのは35円とか、30円とか。店側が損をしないようにどんぶり勘定でお釣りを渡してきます。どんぶり勘定なら、38テンゲお釣りの場合は四捨五入で40テンゲもよくない?と思うのですが、そこは絶対に譲らない。別に1円、5円くらいのものなんで、ケチケチするな、と言われればそれまでなんですが、毎回のことになると、何となくイラっときます。

ちなみに、セルビアも似たように最後の1ケタをきっちりしないことがありますが、セルビアは3円足りなくても「オーケー」といってくれますし、お釣りは多めにくれることのほうが多いです。そう思うと、やっぱり「カザフスタンはケチ~」と思ってしまう…。

相手は損をしてもいいけど自分は損しないように…という感覚はこんな小さなところだけでなく、さらに「借金」という形で表れます。

 

借金をするのは当たり前。お金を貸さない人=優しくない人

カザフスタンは、親族や知り合いにお金を借りることがしょっちゅうです。別にそれが悪いこととも恥ずかしいこととも思わない人たちが結構います。もちろん、皆が皆というわけではなく、どんなにお金に困っていても、それを表に出さないで自分で何とかしようとする人たちもいますが、かなり少数派。

一般市民の懐事情はさほど良くないため、貯金は当然ほぼなし、仕事に行っても給料を払ってもらえなかったり、ある日突然仕事を失う人たちも多い、という事情も手伝ってのことか、お金を貸し借りすることは日常茶飯事に行われています。

そういう状況の中で、お金を貸さない人になると、どうなるか。「あの人はケチだ」「人助けが嫌いな人だ」などというレッテルをはられることになります。ハッキリ言って、私はそうは思いません。借金をする人の場合、本当に自分にはどうしようもない状況で困っている人というのはほんの一握りで、大抵の場合は、使えるときにあるだけ使ってしまえ、という計画性のなさ、「困ったら誰かに借りればいい」という甘い考え方、怠慢が原因のことが大半だと思います。そういう人たちにお金を貸さないからといって、ケチ呼ばわりされては大迷惑な話。

そもそもお金を貸したくない人には次のような真っ当な理由があるんです。

 

ほぼ100%、貸したお金は期日までに戻ってこない

私の夫も、前述のような社会事情から、カザフスタンでは知り合いにお金を貸してあげたり、後払いで仕事をしてあげたり、ということが結構あったのですが、私の知る限り、

  • 「来週返します」→ 3か月後にようやく回収
  • 「来月返します」→ 2年かかってようやく回収

というように、ほぼ100%期日には貸したお金が戻ってきません。借金した人にこちらから連絡をしない限り、永遠に戻ってこないと思ったほうがいい。何度も電話して、リマインドして、ようやく戻ってくるという感じです。貸す側としても、毎回、そうやって「いつお金貸してくれるの?」と聞くのはきまりが悪く、なんていうか、モヤモヤ感がいつもあって私はダメでした。

借りる側の神経はいったいどうなっているのか…。何カ月も返さずに平気でいられることに、感心してしまいます。こうやって借金に借金を重ねてまわるカザフスタンの社会。でも借金が戻ってこないせいでビジネスが回りにくくなっている人がたくさんいるのは否めません。

 

しかし、プレゼントとなると「相手は損をしてもいいけど自分は損しないように…」という感覚はどこへやら。またこれは見栄っ張りもいいところなくらい、豪勢だったりします。

結婚式のプレゼントが半端なく高価

これは、カザフスタンの中でも、アジア系で親族のつながりが深いカザフ民族によくある話なのですが、親類の誰かの結婚式となると、プレゼントが半端なく高価で、日本の一般人の私は度肝を抜かれました。

自分の子どもが結婚する場合、親は新居や車をプレゼント。親以外の親族は、システムキッチン一式とか、家具とか、カーテン一式とか、とにかく新生活に必要になるものはすべて親族がプレゼントします。

そして、それらのプレゼントは、それだけ高価なのでやはりローンを組む必要があり、親や親族は銀行でローンを組んでそういうプレゼントを買うということです。親族の中で立て続けに結婚式があったらもう大変。皆ローン地獄で苦しむことになります。しかも、そういったプレゼントは、被らないで済むように、新郎新婦側から誰が何をプレゼントするか指定することもあるそうな。。。

それで、2,3年で結構離婚してしまうことも最近は多いので、親族はかわいそうとしか言いようがありません。。でもそういう「しきたり」だかしょうがないと思っているようです。

 

大盤振る舞いなのか、ケチなのか、よくわからない金銭感覚。これだけは、どれだけ長く住もうと慣れることはできなかっただろう…、と振り返って思います。今住んでいるセルビアも経済事情はカザフスタンと同じレベルくらい良くなく、公共機関などではスリも多いですし、お金がらみで苦労しているという話も現地の人からは聞くのですが、カザフスタンから来た私たちにとっては、まだ常識的なほうだと、ホッと心をなでおろしているところ。

以上、今回は「カザフスタンの常識は日本の非常識 – 金銭感覚編」でした。また色々思い出したら追記しようと思います。

オフリド湖で泳ぐ

二度目もやっぱり良かった!マケドニアの世界遺産オフリド。今回は泳いできました

長期滞在中しているセルビアの隣国、マケドニアとアルバニアの堺にOhrid(オフリド、またはオフリト)という名前の湖があります。去年の9月に初めて訪れたのですが、予想外に良かったので、「マケドニアの世界遺産、透明度高く輝くオフリド湖と旧市街は美・安・旨がそろった二度行きたい名所」という記事を書きました。

去年はちょっと時期を外してしまい寒くて泳げなかったのと、夫の帰省中に友達と出かけていたというのもあり、まだオフリドを見たことのない夫を案内すべく、また今回*こそはあの湖で泳いでみたい!という思いで行ってまいりました。

注*:「今回」と書いていますが、これは今年の夏の話です。すでにだいぶ寒い11月ですが…今の今まで記事に書けなかったもので。。あしからず。。

なんてことない旅行記ですが、写真を多めに入れているので、このあたりの旅行を考えている方は雰囲気がつかめるかなと思います。

夏真っ盛りの7月半ば、オフリドへ

マケドニア出身の友達に「オフリドは海と違って湖、しかも山に囲まれた盆地だから、水温が上がる時期が短い。7月の初め頃からシーズンになって8月後半にカラスが水浴びし始めたらもう泳げなくなるよ」とのアドバイスをもらい、今回はしっかり夏真っ盛りの7月半ばに計画。

セルビアはちょうど猛暑が始まって40度近くなるころ、私たちはオフリドに向かって出発しました。セルビアの首都、ベオグラードからオフリド行きのバスに乗って9時間の旅です。

夜12時に出発し、現地の朝9時に到着する夜行バス。日本の長距離バスみたいなリュクスなのではなく、いわゆる「普通の」長距離バスです。飛行機のエコノミーに9時間のるのと同じような足パンパンになっちゃう感じの旅です。途中2回トイレ休憩&国境越えの時に歩けるだけいいですけどね。。

 

国境越え

ベオグラードから南下して、明け方、薄明るくなるころに国境に到着。海を越えないと他の国に行けない日本に長く住んでいた人間にとっては、この陸続きの国境っていうのが未だに何とも不思議だったりします。

見た目はちょっと大きめの高速道路の料金所みたいな感じで、まずはセルビア側の通関から出国手続き。そしてそこから数十メートル行ったところにマケドニア側の通関で入国手続き。

カザフスタンにいたころは入国、出国のたびに顔写真を取られたり、大した所持金もないのにイチイチ「お金はいくら持っているのか」と聞かれたり、何だかいつも居心地が悪かったので、いまだにその名残で国境越えはドキドキしてしまいますが、何事もなく無事通過。そしてやたらと引っ掛かりやすいカザフスタン国籍のパスポートを持つ夫が何事もなく出国・入国できたのもほっと一息。。

 

オフリドは小さなマケドニアの中でも南西に位置しているので、マケドニアに北から入国するとさらに4時間くらいバスを走らせる必要があります。

セルビアの南部もそうですが、マケドニアも田園風景や自然豊かな山間を楽しむことができます。

マケドニア旅行 バスからの眺め マケドニア旅行 バスからの眺め

 

オフリド到着、宿まで

午前9時ごろにバスターミナルに到着。前回は一緒に行った友達の友達が現地の子でほぼまかせっきりだったのですが、今回は夫と二人。ここから予約したアパートまでどうやって行くか…、どれくらい英語やセルビア語が通じるものか…と若干心配していました。タクシーにぼったくられないかなとか、これはいつでもどこでも不安材料。。

タクシーの運転手さんに「この住所まで行ってほしいんだけど幾ら?」と聞いたら「150ディナール」(100マケドニアディナール=200円程度!)だと。凄い物価安

しかも、「マケドニアの通貨がまだないんだけどどうしたらいいか」といったら、「このバスターミナル周辺にはATMも両替所もないからまず中心部に寄ってユーロを両替しよう。でも中心部まで行くと200ディナールかかるよ」と。

「150でも200でも、そんなにお安くてありがたい!」と思いつつ、無事、レートの良い両替屋さんに行くことができ、アパートまでも無事同着。しかもアパートのオーナーの電話番号を伝えると、自ら電話して「ほら、お宅のところのお客さんが到着したよ」と伝えてくれた。

こんなちょっとしたホスピタリティ溢れるタクシーの運転手さんに出会って、早くも「この旅はきっといいものになるだろう」と勝手に予感(笑)

 

そして、オーナーのおじさんがタンクトップでお迎え。私が日本人だと知ると「オ~!ヤパ~ン!!」と言いながらハグして歓迎してくれました。必要以上に(?)気さくな方でしたが、こういう貸しアパートはホテルとは違うフレンドリーさが結構好きです。近くのスーパーはどこにあるとか、おススメのビーチはどこにあるとか、色々教えてくれました。

今回泊まった宿はキッチン付きの一部屋のアパート↓

Booking.comで評価が高かったので予約しましたが、キッチン用品からアイロン、ドライヤーなど、必要なものが一通り揃っていて、静かでいいところでした。ベッドのマットレスが若干硬めですが、一日歩き回って泳いでの後なのでぐっすり眠れました。

→ Apartments Magnolija

 

さて、詳細な情報を長々と綴ってしまいましたが、とにかくオフリドは旅の最初からフレンドリーな人が多くて、気持ちよく滞在できるというのを今回も感じました。

 

オフリド湖で泳ぐ

早速到着した日、昨年のリベンジ、ということで湖に行って泳いでみることに。

先回は気温20度前後と寒かったため、中心部から近い湖畔しか見なかったのですが、実は、湖に沿ってぐるっと、いろんなビーチがあるということが判明。

ビーチといっても、砂であるところはほぼなく(あるとしたら多分人工的)基本は小石があるか、あるいは、デッキが足のつかないくらい水位のところまで伸びていて、はしご(orジャンプ)で湖に入るか、という感じです。

そう聞くと「ええ~白い砂浜じゃないの」っておもっちゃいますが、白い砂浜じゃないのも意外といいものです。砂がまとわりつかないし。

私たちは白いデッキがあるカフェにいって、湖を見ながら太陽の光を浴び、マケドニア製のコカ・コーラとコーヒーを頼んで、しばらく横たわって旅の疲れをいやしました。

場所代とかは取られなくて、何か飲み物を注文すれば好きなだけチェアで過ごせる。しかも飲み物もバカ高くない。二人で4種類飲み物を頼んで600円くらいでした。

気温35度以上。暖かくて綺麗な空気と風景が心地よい。

こんな感じ↓

オフリド湖畔 オフリド湖畔 オフリド湖で泳ぐ

デッキから降りると足が若干つくかつかないくらいかの深さ。とにかく透明度が高い。(水底の石にコケが生えているのもしっかり見えるので、最初足が付くところでも立つのに勇気がいりましたが、意外とあの感触は大丈夫な感じです。海で海藻がまとわりつくよりは…)

湖の水は冷たいとよく言いますが、さすがに35度以上まで気温が上がると、水温も十分上がっています。

 

マケドニアのコカ・コーラは美味しいという夫。瓶入りだからっていうのと、まぁ確かに水はいいかもしれないけど…80%は気分的な問題でしょう(笑)

 

シーズンであるにもかかわらず、人が多すぎないのも魅力。周りの人の話す言葉を聞いていると、ヨーロッパ各地からの旅行者がいることが分かります。やはりバカンスといえば海、なので湖にはさほど人であふれることはないのかもしれません。静かなバカンスを過ごすには穴場だと思います。

基本、湖畔はどこでも泳げるような感じで、他にもこんな場所がありました。 オフリド湖畔オフリド湖畔

そんなに水が好きとか泳ぐのが好きというわけではないのですが、泳げる場所に来たのに寒くて泳げないっていうのは何だかやっぱり悔しかったので、今回、冷たくなくて綺麗な水の湖で泳げたことに満足。

 

ボートでの移動~旧要塞~旧市街の散策

さて、オフリドのよいところは、泳ぐか日に焼けるか、という選択肢しかないビーチとは違って、旧市街を散歩したり、要塞まで登ってみたり、と他にもやれることがあること。

二日目には小型のボートに乗って昨年行かなかった崖の裏側から頂上の要塞に行ってみることに。ついでに湖側からの街の様子(↓)も見れます。

オフリド湖畔

崖の反対側に来てみると、人がまずほぼいない。そして水がさらに綺麗。カヌーを楽しむ人たちも見かけました。

そこから要塞跡まで続く歩道を登っていくと、なんともいい感じの景色に遭遇しました。
エメラルド色の湖とそれを囲む低い山々の風景が印象的です。

少し上っては写真をとり、また少し上っては新たに見える景色に「オォー!」っと感動してまた写真を撮って…となかなか頂上にたどり着けない風光明媚な場所です。

そんなこんなで旧要塞に到着。

この日も気温35度以上。昨年の曇りがちな中での眺めも情緒あって素敵でしたが、今回は太陽がさんさんと降り注ぐ中での要塞跡からの眺めもやはりいい感じでした。

実はこの要塞の他にも、街の中に旧ローマ帝国時代からの劇場跡があります。本当に住宅街の中にあるので、前回は全く気付かなかったのですが、今回入っていってみると(無料)、なんとコンサートの準備をしていました。いまだに使用されているというのにも「さすがローマの建築」と思ってしまいます。

ローマ劇場

旧市街はどこもこじんまりとした住宅に狭い石畳の道、色とりどりの花が植えられていて、良いお散歩コース。
お土産屋さんも色々あって値段も手ごろなので立ち寄ってみるといいと思います。

夕暮れどきもまた情緒あふれる感じでした。日が暮れて暑さが引いてくる8時以降からは、いったいこんなにたくさんの人がどこにいたんだ?と思ってしまうくらい、湖畔のプロムナードやレストランが人々で賑わっていました。

オフリド湖畔 夕暮れ

フレンドリーでホスピタリティ溢れる現地の人々と、美しい自然、情緒ある旧市街での休暇は、4日間と短かったものの、ゆっくり心も体も休まる一時となりました。

 

おまけ:マケドニアの首都、スコーピエ

首都なのにおまけと書いてしまって申し訳ないのですが、スコーピエという街は何とも理解しがたい街です。オフリドの後、2日間だけ滞在したのですが、今回もやっぱり違和感が残ってしまう訪問となりました。

スコーピエ アレクサンドロス大王像

 

旧ユーゴスラビア連邦が崩壊してからほぼ20年くらいの間に首都の中心部の建設計画が始まったそうなのですが…

一見ヨーロッパ調の格式高そうに見える美術館なども、近くで見ると何だかチープな感じがしてしまったり、さほどスペースのないところに異様に大きな彫刻像があって圧倒されたりスケール感が狂うような感じです。

スコーピエ 美術館 スコーピエ 中心部

スコーピエ 美術館 

でも写真だとあんまりわからないですね…。行くとガッカリなのになぜか写真映えする街。。。

ただ、スコーピエにはトルコの影響が強く残っていて、美味しいトルコ系のスイーツが食べられたり、トルコ産の洋服や靴などの掘り出し物があったり、ショッピング&グルメはわりといいかなという感じです。オフリドに行く機会がったらスコーピエに立ち寄って一度見てみるのも損はないと思います。でも2日あれば十分。

長々と書いてしまいましたが、以上、今夏のマケドニア旅行レポート、最後まで見てくださりありがとうございました!

belgrade cafe

セルビアの経済事情 平均収入250ユーロの厳しさと、意外に「優雅な」生活のカラクリは…

セルビアに住み始めて1年と9か月になりました。

最初は観光客+αくらいの位置づけで住んでいた自分たちも、生活に慣れ、だんだん言葉がわかってくるようになり、現地の知り合い・友人が増えてくるにつれ、最初は見えなかったこの国の難しい問題、暗い面が見えてきます。

私が現地の人たちを見ていて感じる一番深刻な問題は、失業率の高さと収入の低さ

 

セルビアの平均収入は250ユーロ程度

身近な人、友人や知り合い、ご近所さんの懐事情を聞くと、この国で仕事を見つけて普通の生活を営むための収入を得るのはそう簡単ではないと感じます。

平均収入が250ユーロ程度(日本円で3万円くらい)というのがその厳しさを物語っていると言えるでしょう。

 

しかも、週6日、一日8~10時間働いて、たったこれだけの給料なんていうことがざらにあります。

首都ベオグラードにある、名の通ったホテルのベッドメイクの仕事が時給なんと1.2ユーロ…(つまり150円くらい!!)。

プログラマーなどの比較的給料の良い仕事なら、月給700ユーロ~1000ユーロなので、この国の生活費を考えればまぁまぁと言ったところでしょうか。(この国で月1000ユーロ以上稼いでいる人は「高給取り」です)

 

じゃあ平均収入の250ユーロで首都ベオグラードで暮らしていけるのか、というと、ほぼ不可能です。
共働きで500ユーロでギリギリといったところ。

持ち家があればいいですが、賃貸で住んでいるような若い夫婦などはもう少し必要になります。

 

失業率は実質30%くらい

仕事を探すのも楽ではありません。経営者としてビジネスを営む立場も、高い税金の支払い、雇用者の福利厚生などの経費負担は楽ではなく、できるだけ経費・人件費を抑えるため、雇う人数を少なくして何とか回しています。

だから、雇用者の一人当たりの負担が大きくなり、週6日(酷いと週7)で働かされることになってしまうし、仕事に就けない人も増えてしまう。

最初は心のどこかで「ちゃんと働く気がないから見つからないんじゃないのか」と勘ぐっていた節があるのですが、働きたくても働く場所が見つからない子たちがいることに気づき始めました。

 

カザフスタンにいたころに、オンライン上で見つけた統計情報では失業率が20%と書いてありましたが、ここに来てからは「30~40%くらいじゃないか」という感じがしますし、実際そういう話をよく聞きます。

カザフスタンも経済事情は楽ではなく、失業率は同様に高いですが、そんな環境に慣れた夫も「この国の労働事情がこんなにひどいとは思ってもみなかった」と言うようになっています。

 

仕事があっても大変、仕事がなくても大変な国なんだなと。

しかし、意外に優雅な生活…「えっ?」

とはいえ、街中を歩いて、人々の様子を見ているだけなら、決してそんな苦しい生活をしているようには見えません。
それがこの国の不思議なところ。

belgrade cafe

ベオグラード中心にあるレストランやカフェ、バーには(夏場は特に)いつも人がたくさん入っているし、街中を歩く人たちはお洒落な人たちもかなり多い。

週末にショッピングセンターに行けば、ヨーロッパの他の国と同じように、ZARAやH&Mなどのファストファッションブランドで買い物する人があふれています。

車も時々懐かしの「ユーゴ」が走っていることもありますが、プジョーやルノー、BMV、Fiatなどの新しいモデルもよく見かけます。

アップル製品が好きな人も多いし、実際に若い子の中でもiPhoneユーザは結構多い。

 

「優雅な生活」というほどではないかもしれませんが、一見、日本や他のヨーロッパ諸国の普通の生活とあまり変わらないのでは…と思うような生活レベル。

 

なのに「この国の平均所得がたったの250ユーロ(3万円くらい)」と聞いたら、
「ん…????」ってならないでしょうか。

 

でもそれがこのセルビアの経済事情。

 

 

セルビアの生活事情を皮肉った笑い話があるのですが、まさにこの通りのことが起きている感じです。
まずはそのネタをご紹介。

 

セルビア人とアメリカ人の懐事情についての会話

アメリカ人があるセルビア人と家計について話しています。

セルビア人はアメリカ人に聞きました。「毎月の給料はどれくらいなんだい?」

3000ドルだよ」アメリカ人

セルビア人「で月々の支出は?」

「1500ドルくらいかな」アメリカ人

セルビア人「え、じゃあ残りのお金はどうしているんだい?」

「うちの国ではそういう質問はしちゃいけないんだよ。
で、君の給料はいくらなんだい?」
アメリカ人

セルビア人「200ユーロだよ」

「で、支出は?」アメリカ人

セルビア人「1000ユーロくらいかな」

「え…???じゃあどうやって暮らしてるの??(汗)」アメリカ人

セルビア人「うちの国ではそういう質問はしちゃいけないんだよ。」

「…」アメリカ人

 

200ユーロの稼ぎだけで、1000ユーロ分の生活をしているという、なんとも不思議だけど、あながち嘘ではないような笑い話。

「800ユーロ分」のお金はいったいどこから捻出されているか。。

 

実は、ここには一つのからくりがあります。

 

生活費800ユーロ上乗せできるそのカラクリとは

それは、ヨーロッパのより経済的に安定した国々(ノルウェー、ドイツ、スイスなど)やオーストラリア、アメリカなどに移住した親戚がお金の援助をしているというもの。

 

実際、2000年までの旧ユーゴスラビア内戦とその後の経済危機をきっかけに、ヨーロッパやオーストラリアには相当なセルビア人が移住しているようです。

どれくらい移住しているのか、気になって調べてみたところ、以下のような統計を見つけました。

 

ドイツ: 約22万1千人
オーストラリア: 約18万7千人
スイス: 約7万8千人
フランス: 約4万8千人
イタリア: 約4万4千人

その他、ノルウェー、スウェーデン、アメリカ合衆国などにも多数移住。

 

ざっと計算するだけでも約60万人のセルビア人が外国に住んでいるということになります。
セルビア本国に住んでいるのが800万人ですから、結構な割合ですよね。

さらに、上記はセルビアの国籍を持っている人たちですが、帰化た人達もいることを考えるとさらに多い可能性が高いです。

 

彼らは親族の期待を一手に担い(というのは大げさなようで本当っぽいですが)、セルビアに残されたかわいそうな親族たちに暮らしの助けを差し伸べている。ま、先ほどの笑い話にあるように月々800ユーロも仕送りしてくれる親族はそう多くはないでしょうが…。

アップル製品は、そういう親族や知り合いからのおさがりがセルビアに流れ込んでくるから、アップルユーザも多い。

もちろん、本人が実際にヨーロッパ各国に数か月、出稼ぎに行き、たっぷり稼いで帰ってくるということもあります。

 

この話は、結構いろんな人から耳にする話なので、実際そうなんだろうなと。

まぁ何だか納得。

 

おまけのカラクリその2

一見高くつきそうで、実は安くすませられる方法があるというのも「安い給料でいい生活」ができるカラクリではあります。

会話好きで外に座って時間を過ごすのが大好きなセルビア人は、カフェやレストランのテラス席で、実はそんなに注文せず、ビール一杯やコーヒー一杯だけで、何時間も延々とこのいい季節を楽しむことができます。(だからいつも人がいっぱいに見える)

あと、一皿のボリュームが惜しみなく多いことが多く、2人で一皿分を頼んで分けるというのも全然OK。それを恥ずかしく思う必要もないし、もしたくさん頼みすぎて余ってしまったらパックに入れて持ち帰りさせてくれる。ということもあって、レストランで食べるのもそんなに敷居が高い訳ではなかったりします。

洋服も街中にヨーロッパ各地から比較的良質な古着を仕入れてくる古着屋さんがたくさんあり、そういうところで上手に買い物をすれば全然みすぼらしく見えない。(私も掘り出し物探しに、よく古着屋巡りをします。笑)

 

夏のバカンスには、一人当たり100ユーロ未満でギリシャに10日間滞在できるツアーがあったりします。
ツアーといっても添乗員がつくとかではなく、行き帰りのバス代と宿泊費で100ユーロですが、ハッキリ言ってこれは激安もいいところです。

こうしてあまり裕福と言えない人たちも、夏にはたっぷりの休暇をギリシャの青く輝く海で楽しむことができているというわけです。

 

平均収入がたったの250ユーロでありながら、そうとはとても思えないようないい生活をしているセルビア人。

タイトルに書いた「優雅な生活」とは少し違うかもしれませんが、彼らの生活スタイルを見ていると「生活大変なはずなのに、何だかんだ良い生活をしているのでは」と心の中で思うことはあります。

何だか不思議ですが、その不思議な感じが成り立っているのがこのセルビアという国。

 

まとまりがないですが、以上がセルビアに2年弱住んで見えてきたこの国の生活事情でした。まだまだこれから見えてくる裏事情がありそうです。