こんにちは!今回は、カザフスタンに合計3年ほど住んでいる管理人から見た、現地の医療事情についてまとめてみたいと思います。日本でも都市部の医療事情と地方では多少なりとも違いがあるのと同様、このカザフスタンでも土地によって医療のクオリティに違いはありますし、周りにいる人たちの意見とかにも左右される部分がありますので、あくまで個人の主観が入っていることを承知で読んでいただければと思います^^;
カザフスタンの医療事情
カザフスタン共和国はもともとソ連の一部だったこともあり、学校や病院などの公的なサービスは基本的に無料で受けられるべきだという考えがいまだに残っています。それでも最近は有料化が進んでいて、それを不満に思う住民ももちろん多いのですが、今のところ病院は自分の住民登録がある地域の病院なら基本的に診療・検査は無料。X線や血液検査などの基本的なものは無料。手術も盲腸とか悪性腫瘍などが無料で受けられるようです。(有料化されるとのうわさは絶えないですが)
日本では病院に行かなくても健康保険料を払わないといけないし、病院に行けば行ったでお金がかかるので、「無料」と聞くだけでキラキラしちゃいそうですが、実際の状況は「タダほど怖いものがない」という言葉に近いものがあります。
ちなみに、住民登録がない都市で治療を受ける場合は基本的に全て有料。無料で受けたい場合は、まず住民登録のある区域の病院に行って診療し、そこの医者から別の病院で診てもらえるように書類を書いてもらう必要があります。
私も公立の病院で検査や診察を受けたことがありますが、居住権を取得する前だったということもあってお金を払わなくてはいけませんでした。
しかし、有料か無料かというお金の問題よりももっと深刻なのは、検査や診察を受けるまでにものすごい時間がかかるということ。
日本でも少し人気があるクリニックだったり、総合病院だったりすると順番待ちで半日潰れちゃうなんてことがありますが、ここの病院で診療を受けるのは、日本での順番待ちとは比べ物にならないほど大変です。なぜかというと、
- 医者の都合で予告なしに診療が行われない日がある
- 順番待ちが半端ない
- 予約は先1週間分まで。大抵はびっしりと予約が埋まり、次の週の予約を入れるには、月曜日の朝に駆け込んで予約ノートに自分で名前を書く必要がある
- 予約をしていても、前の人たちの診療でオセオセになって診察してもらえないことがある
- 予約をしてようやく診察室に入ったと思ったら、即、別の科に行ってくださいといわれ、そこからまた長蛇の列に並ばないといけない
ということが日常茶飯事だからなんです。診察を受けたくても2~3か月空しく病院通いをするはめになるという話は全然珍しくありません。
しかも、公的な病院では使っている検査の機械が古いため、検査結果が必ずしも正しいという保証はどこにもない。というのが一般的な見方です。
血液検査は、薬指の先端にカッターでググっと切れ目をいれられ(痛い!!)、指をぎゅぎゅーっとつまんで切り口から出てきた血液を試験管に少しずつ取り入れる
というなんとも原始的な方法。。(注射よりもある意味怖い)
ここにかいてあること、「ホンマかい?」と思うかもしれません。
私も「ここの人たちはなんでも大げさに言うからな」という感じにしか思っていませんでした。実際に経験してみるまではね。
ちなみに、診察は無料でも、薬は有料。医者の処方箋を持って薬局に行き、自分で購入しなくてはいけません。よくあるのが、抗菌薬や抗生物質、注射を含め数えきれないくらいの薬を処方されて薬代がバカ高くなってしまうパターン。
病院側と薬局が(よくない意味で)しっかりつながっていて、薬局がたくさん利益を取れるようなしくみになっていると、みんな思っています。
思っているけど誰にもどうにもできない。。それが現実。
最近は公的な病院とは別に、私立のクリニックができていて、そちらのサービスははっきり言って日本と変わらないくらいいいです。
スタッフの皆さんも先生もとても優しく礼儀正しいし、院内は清潔そのもの。設備も最新の機器が整っています。
ただ料金は結構なもので、一回のクリニックの診察+薬代で普段の月月の生活費の1/2近くの金額が吹っ飛んだことがあります(涙)
例えば、月収10万だとした場合、5万円が吹っ飛んだ感じですね。。
処方された薬もやっぱり量がすごくて、抗生物質やら炎症止めやらの錠剤5種類に加えて、お尻に刺す注射を2種類(×7日分)だされ、うめきながら毎晩夫に注射してもらうという、なんとも情けない日々を過ごしました。
安くすむ病院に行っても高いクリニックに行っても治療につかうのはたくさんの抗生物質と注射というのが結局のところです。
そんなこんなな状況ですが、一般的な医者は抗生物質で治す化学療法を勧めるのに対し、実は一般の人たちの間では「抗生物質や抗菌薬などを含め化学物質を使った薬は飲むべきではない」という考え方が最近、非常に広まってきています。
化学療法の是非
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旦那やここの友達がよく言ってるんですが、「抗生物質を使うと、体内の良い菌まで殺してしまい、結果、免疫が下がって別の病気にかかりやすくなる」らしいです。
日本でもそういう話は聞いたことがあったものの、私自身は風邪を引けばさっさと町医者に行って風邪薬をもらい、治すというのが習慣になっていたことや、風邪薬を飲まないで治るまで1週間も寝込んでいられない日本の仕事事情もあって、特にそういう化学療法への抵抗はありませんでした。
が、婦人科系の病気になって化学療法を1か月続けたときのこと。ちょっと動いただけで疲れ切ってしまったり、寝ても翌朝、体力が回復しなく、またしょっちゅう風邪をひくになってしまいました。本当に当時は、このまま弱り切って何もできない人間になってしまうのではないか、というほど力なく感じ、そのせいで気分もふさぎ込んでメソメソ泣きながら過ごす日々。
私の場合は気候や環境に慣れていないということもあると思いますが、それを機会にあらためて自分自身、化学療法というものの是非について考えるようになりました。
化学療法で弱弱しくなった私を見るに見かねた夫は、
「この状態でまた風邪を治すのに抗生物質やら何やらを使うのは危険だ。」と言い、
全て天然のハーブや食物から作られたサプリを購入。
私はもともとサプリメントの効果を疑うタイプの人間だったので、半信半疑ながらも夫の力説に負け、自然療法(ハーブやサプリメント、食事制限など)によって体質改善や免疫力の強化を図るようにしたのですが。。
結果、徐々に体力も回復してきて動けるようになり、風邪もひきにくくなっていったんですね。
日本ではあまり浸透していないのですが、天然の抗生物質やといわれるグレープフルーツシードエキスや体内の有害物質・寄生虫を除去する黒クルミなど、天然のものから作られたサプリメントはこんなにも効果があるのか、というくらい私には効果がありました。(ちなみに私が飲んでいたのはリンク先のものではなく、日本未発売のロシアのメーカーのものです。)
ただ天然のものから作られたサプリは、それはそれでまた高い(涙)。
私が飲んでいたサプリは30日分で2500円~5000円くらい。
高いサプリは効果があるんだな~と思ってしまった瞬間でした。
何はともあれ、結論は
病気にならないように頑張ろう
ですかね(汗)
せっかくなので、最後に医療関係のロシア語を挙げておこうと思います。
病気になったら役立つかもしれないロシア語単語集
- 総合病院 Больница(バリニッツァ)
- クリニック Клиника(クリニカ)
- 注射 Уколы(ウコーリ) ←現地の人と病気の話をするとしょっちゅう出てくる単語
- 薬 Лекарство(レカールストヴァ)
- 病気 Болезнь(バレーズニ)
- 風邪 Простуда(ブラストゥーダ)
- 下痢 Понос(パノース)
- 吐き気 Тошнота(トシナター)
ロシア語で病気の症状を伝えるには
「~が痛いんです。~の具合が悪いんです。」の意味の
У меня болит... (ウ ミェニャー バリット)
の後に、症状をうったえたい所を言えばOK。
- 頭が痛いんです → У меня болит голова(ウ ミェニャー バリット ガラヴァー)
- おなかが痛いんです → У меня болит живот(ウ ミェニャー バリット ジヴォット)
- のどが痛いんです → У меня болит горло(ウ ミェニャー バリット ゴールラ)