出産費用が無料のセルビア。現地医療サービス実体験レポート

この春、現在住んでいるセルビア共和国で長男を出産しました。タイトルにもあるとおり、現地では公立の医療機関を使うと妊娠〜出産までにかかる費用がほぼ無料私としてはかなり驚きだったので、実際「タダで産める」セルビアの医療サービスがどんなだったのか記事にしてみました。

なぜ日本でなくセルビアで産むことにしたのか

セルビアがまずどんな国かというと、旧ユーゴスラビアの解体後から経済的にかなり厳しい状況にあり、ここ数年は少し上向いてきたものの、ヨーロッパでは貧しい国の一つに挙げられる国です。

最近の医療レベルはイタリアに近いレベルになってきたとか聞いたことがありますが、現地の友人知人の話などを聞くと(医療事故のようなことばかり聞かされるので)なんとなく怖くて私達夫婦はセルビアに来てから三年間、病院にいかずになんとか過ごしてました(汗)。

こんな状況を考えると、日本に帰って出産するほうが良いのでは?と思ってしまいますし、実際、私もその選択肢を考えたこともありました。でも結局、現地で出産することにしたのはこんな理由がありました。

長期でセルビアを離れるわけにはいかなかった

そもそも子供を持つということを考えておらず、たまたま授かったため、子供ができたらどうするかということは全く考えていませんでした。夫の仕事の拠点はセルビアにあり、長期でセルビアを一緒にはなれるわけにはいきません。かといって、妊娠中~産後しばらく日本に一人で帰るとなると半年以上も家を開けることになり、それはちょっと…という感じでした。

帰国のフライトが厳しい

妊娠中でもまだ早い時期ならフライトは可能ですが、乗り継ぎも含めて長いフライトに耐えられるのか、ドアtoドアで24時間以上かかる道のりは妊婦には厳しいのではないか、産後に小さな子供とその長旅をしてセルビアに戻ってこれるのか、など、物理的な距離を考えると私には無理そう…と思ってしまいました。

日本での出産は高額!

トドメはお金のもの問題です。妊娠して初めて知ったのですが、日本では産後に出産育児一時金として自治体から40万円くらいもらえるものの、出産費用に同じくらい~それ以上かかるようです。母親には「妊娠から出産まで100万くらいはかかるわよ」といわれ絶句しました。。

子供を持つことを前提に家計を考えていなかったため、日本での滞在中にかかる費用(高い食費、交通費など)も全部ひっくるめて考えるとやっぱり無理だ…となり、あきらめました。

もちろん、セルビアの出産事情や医療事情によほどの疑いがあれば、やはり日本で安心して出産したほうがいいです。ただ、病気の手術などはセルビアではしたくないというのが本音なものの、産婦人科は大丈夫なんじゃないか、という思いがありました。なぜかというと、そこら中に子供がたくさんいて、妊婦さんもそこらじゅうで見かけるからです。これだけたくさんの元気な子供がここで生まれているなら大丈夫なんじゃないか、と。

日本での出産経験があれば、日本と比べてあーだこーだと比較してしまったかもしれませんが、実際振り返ってみると私としては総じて満足のゆく医療サービスでした。幸い、友人の一人が一年前に出産しており、良いお医者さんや産科を教えてもらうことができたのも手伝ってたと思いますが。

それに、なんといってもお金がほとんどかかりませんでした。

これだけのサービスが無料で受けられるなら十分!

という感じです。

セルビアでほぼ無料で出産できる理由

セルビアには国民健康保険があり、加入していれば公立の保健所や病院での診療に代金を払う必要はありません。つまりゼロ割負担ということです。我が家は夫が個人事業主のため、月々20ユーロ程度(2500円くらい)を家族を含めた保険料として払っており、健康保険証みたいなのも持っています。就労状況にもよりますが、パートタイムで働いていて雇い主が保険を払ってくれない場合は、一定の手続きをすると保険料を納めることなく、健康保険証を発行してもらうことができます。

前述のとおり、セルビアに来てからの3年間はこの保険証、まったく日の目を見ることがなかったのですが、妊娠したことでフル活用することになりました。

で、実際に妊娠中に通い始めた保健所の婦人科ですが、最初から最後まで一度も診療代を払うことはありませんでしたし、超音波検査から始まる各種検査も一つを除いて無料です。超音波検査では、通常の白黒のに加えて、4Dもあり、何度か赤ちゃんの顔を見せてもらうこともできました。

妊娠中にかかった費用

今でこそお金を払わなくていいことに慣れてしまったのですが、最初の検診に行くときは「一体いくらかかるんだろう…」と思い、念のため多めにお金を持って行ったのを思い出します。検診が終わって、窓口で次回の予約をして、さて幾らかなとドキドキしていたら、「じゃあ次回は●月●日●時です。さようなら」と言われてあっけにとられました。

妊娠中に支払ったものといえば、

  • 尿検査用の容器(30円弱)
  • グルコース(糖尿病検査用、100円弱)
  • 栄養剤とお茶(医師に進められたものだけなら月300円、個人的に購入していたものが月1500円)
  • 蕁麻疹の薬(500円くらい)
  • カンジダの検査(1300円くらい)
  • 交通費(バス代片道90円ほど)

以上(笑)。

ちなみに、私は一年間の一時ビザを持っている状態なのでバス代はタダになりませんでしたが、長期居住権や国籍保持者はバス代も妊娠中はタダになるようです。

出産にかかった費用

さて、妊娠中の診療や検査費用は無料なものの、さすがに産院での出産が無料なわけはないでしょう、と思っていたのが妊娠3~4カ月のころ。ところが、何人かの知り合いに聞くところ、「私は何も払わなかったわよ」というのです。そうこうしているうちに分かったことは

  • 公立の産院は基本無料(自然分娩、帝王切開とも)
  • 和痛分娩には5万円相当くらいの料金(無料のところもあり。医師が必要と判断すれば無料になることもあり)
  • 私立の個人病院は有料

という感じです。公立の産院は、比較的大きな病院が多く、24時間体制で受け入れをしています。知り合いのつてで担当医師が決まっているか、帝王切開などで日にちがあらかじめ決まっているわけでない限り、事前に産院に行く必要はなく、陣痛が始まった、あるいは破水した時点で病院へ向かうという制度でした。

出産から退院まで

産院の病棟からの眺め

私は友人の勧めでベオグラード中心部にある総合病院内の産院で出産することにしました。

その産院では12人の助産師さんが交代でスタンバイしているらしく、出産時は代わる代わる色んな医者や助産師さんが診に来てくれた感じです。

無事に出産を終え、入院部屋へと移動。私は自然分娩で特に問題もなく出産できた(二度と経験したくないくらい痛かったですが!)ので、産後すぐに赤ちゃんのお世話が始まる「ベビーフレンドリープログラム」というものが適用された5人部屋での入院となりました。出産二日目の朝10時から翌日の朝5時まで、2度の休憩をはさんでほとんど赤ちゃんと一緒の時間を過ごします。賛否両論あるプログラムですが、かわいい赤ちゃんがすぐそばで寝ているのを見るのはなかなかの幸せ。ただ、10メートル先のトイレに歩いていくのもままならない産後2日目はちょっときつかったです。。

食事はというと、日によって「これは旨い!」と思えるものと「まぁ食べれるか…」というものとムラがありました。でも量は十分で、パンには全粒粉のものを使ったり、野菜多めだったりと健康に良いものを出してくれている感じはありました。ケーキなどのおやつがでることも。個人的には食事は「無料なんだから十分すぎる!」という感じでした。文句があるとすれば、この一点。トイレとシャワー室の衛星面がちょっと辛かった。部屋にトイレとシャワー室がついているところもあるようですが、私は割と元気な人の部類に入ってしまったため、10部屋以上の女性が皆使う共同トイレとシャワー室でした。「無料だからしょうがない」ですが、普通の日本人にはちょっと厳しいレベルです。

入院中には、

  • 授乳の相談を受け付ける助産師さん
  • 注射や飲み薬を配る看護師さん
  • 検診をするお医者さん
  • 赤ちゃんにミルクをあげる看護師さん
  • 赤ちゃんに必要なものを配る看護師さん
  • 清掃員さん

などがかわるがわる部屋を訪れ、十分にケアされていると感じることができます。入院中は、世話好き、外国人に優しいセルビア人の皆さんですから、同じ部屋の人たちが分からないことを色々教えてくれたり、看護師さんや助産婦さん、お医者さんたちも皆、フレンドリーで安心して過ごせました。

入院した部屋の様子

で、実際に入院中に支払ったのは

  • パンパース一袋とウェットティッシュ一袋(入院中の赤ちゃんが使えるように皆が寄付する感じ)
  • キオスクで買った水やお菓子などのお金
  • タクシー代

以上です(笑)

同じ部屋にいた人は、対応が悪いだの何だのと文句を言っている人もいましたが、私としては「無料なんだから少しは目をつぶれば?」という感じでした。

 

さらにセルビア国籍なら、一人目の子供には10万円ディナール(10万~11万円相当)を一括で、二人目以降は月に一万円ディナールを二年間もらえるそうです。現地の平均所得を考えれば、日本の出産育児一時金と同じくらいの価値はあると思います。私たち夫婦は現地で二人とも外国人なのでもらえませんが、それでも、セルビアの健康保険で妊娠~出産費用をほぼ全てカバーしてもらえたのは本当にありがたいものでした。

私が住んでいる家から徒歩10分圏内に、同じ時期(前後1カ月)に出産した人が知っている限りで3人います。それくらい、この国で多くの女性が出産しているのは、子供を大切にする文化、先のことを考えすぎないメンタリティに加えて、費用のことをあまり真剣に考えすぎなくていい制度になっているからではないか、と感じました。

長いようで(きっと)あっという間の育児生活が始まりました。機会があったら現地の子供の医療ケアについても記事にしてみたいと思っています。最後まで読んでくださりありがとうございました。

なぜかセルビアに移住するロシア人たち。ロシア人から見たセルビアの良いところとダメなところ

セルビアには、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニアなどを始めとするバルカン地方の国の人たちや、いわゆるジプシーのロマ人、ハンガリー人(マジャール人)などがたくさん住んでいますが、それに加えて最近増えているのが、ロシアやウクライナなどから移住する人たちです。既にロシア語圏からの人が約4000人はセルビアに住んでいると言われており、この数は増え続けているとのこと。

そもそも、ロシア人は他の国に移住することに抵抗を感じない人たちで、より経済状況の良いドイツやその他のヨーロッパ諸国へ、あるいはバケーション感覚でトルコやタイの海沿いの地域に移住する人たちは決して少なくなくありません。しかし、セルビアは海があるわけでもなく、ドイツのように経済状態がいい訳でもない。仕事がなくて困ったセルビア人がより良い生活を求めて国外へ移住していく中、あるロシア人たちがセルビアを好んで選ぶのはある意味、不思議でもあります。

今回は、セルビア在住のロシア人たちから見聞きしたことや私の個人的な体験をもとに、なぜロシア人はセルビアに移住するのか、彼らがセルビアについて感じている良いところとダメなところをまとめてみました。

 

ロシア人から見たセルビアの良いところ

治安がいい。子供たちが自分たちで学校に行ける。

モスクワなどの大都市では特に、子供たちの安全を考えて学校や習い事に親が送り迎えするのが普通のようです。また、夜9時以降に子供たちが外をうろつくなどというのは危なくて許せるものではないとのこと。あるロシア人の女性は、子供たちを学校に送り出し、迎え、習い事に連れていき、迎え…というのの繰り返しで5年間が虚しく過ぎたといっていました。ロシアは周知のとおりアル中の率も高く、夜は特に道端で危険な目に遭わないよう、大人でもなるべく独り歩きをしないなど気をつかって生活しているのが普通です。

セルビアはどうかというと、首都のベオグラードでも暗くなってから親子連れも若者たちも普通に街中を歩いているし、学校にも習い事も自分たちで行き帰りしている。この治安の良さはロシアにはないと評価しているようです。

日本人の私としても、ベオグラードは夜の一人歩きもさほど不安にならない、東京と似たような安心感のある街ではないかと思います。もちろん、中年のセルビア人なら「今は物騒な世の中になった」という人が大半でしょうが、それは東京でも他の都市でも言われていることですので、「相対的に見て」治安は良いと言えると思います。

夕暮れにベオグラード中心の要塞(カレメグダン)で一時を過ごす若者たち

 

 

アル中が少ない

アルコール中毒の親族やご近所さん、仕事仲間などに散々な思いをさせられてきたロシア人にとって、セルビアのアル中の少なさはまさに朗報。セルビアを含むバルカン地方の人々も40度を超える強いお酒(ラキア)を毎日飲むのが日課になっていることが多いですが、彼らはロシア人のように「酒に飲まれる」人はかなり少ないです。セルビアの田舎では、朝のコーヒーと共に小さなグラス(50mlくらい)のラキアを「健康のため」に飲んだり、夕方以降、お隣さんや友人などとの「会話を楽しみながらラキアを嗜む」といったことが習慣になっていたりします。一方、ロシア人は多くの場合「つらい状況を忘れるために」強いウォッカを飲んでしまうため、依存症になりやすいのかもしれません。

セルビア人がこよなく愛するラキア

 

新鮮な肉、野菜や果物が安く買える

ロシアをはじめとして、ロシア語圏は基本寒いです。冬の間は特に野菜や果物は地元で育たないため、基本、温かい国や地方から輸送されてくるものを買うことになります。当然、鮮度は落ち、価格は高いということになります。モスクワは物価が高いことでも有名な都市ですが、そこからセルビアに移住してくるロシア人は、セルビアの生鮮食品の鮮度と安さに大喜びすることとなります。

また、セルビアは肉好きなだけあって、お肉の質もやはりロシアとは違う。ロシア人の姑がセルビアに遊びに来た時は、セルビアのお肉の柔らかさと美味しさに感激していました。「私が普段食べているのはゴムのような肉だわ」と。確かに、寒く厳しい環境で育つ牛や豚の肉はどうしても固くなってしまうのか、カザフスタンにいた時は肉料理は基本、煮込み系じゃないと硬くて食べれませんでした。

この写真はイメージです

 

セルビアはゆったりしていて過ごしやすい

モスクワの地下鉄の通勤ラッシュは、東京のそれと負けるに劣らず大変です。セルビアは首都のベオグラードでも人口は150万人程度と多くなく、人口密度もさほど高くありません。大都市ならではの混沌や忙しさに疲れ切ったロシア人は、セルビア人の急がないメンタリティもあってか、ゆったりと流れる時間にホッとするよう。

もちろんセルビア人も忙しくないわけではなく、子どもがいてフルタイムで働くお母さんの話などを聞くと大変だなとおもうこともよくあります。通勤ラッシュの頃の渋滞やバスの混み具合も楽とは言えません。

ただ、人ごみで道をまっすぐに歩けない東京や香港のようなメガロポリスの喧騒を経験すると、セルビア人は何だかやっぱりゆったりと生きていると思ってしまいます。おそらくモスクワなどの大都市から来たロシア人が感じる「ゆったり」はそういうことなんじゃないかと。

 

ベオグラード中心部の公園

 

セルビア人はお金にケチケチしていない。

セルビア人の不思議なところ。お金はないのですが、お金にケチケチしている人が少ない。この間話したあるロシア人も、「モスクワじゃスーパーの会計でお金が足りないことが分かって『足りない分、明日持ってきます』と言ったって誰も信じてくれないし、そのまま会計が通るわけがない。セルビアじゃ、店員のほうから『まあ、足りない分は明日持ってきてください』といって売ってくれるのよ!信じられる!?」と興奮気味に言っていました。

 

気候がいい

生まれつき寒い国に生まれたロシア人だからと言って寒いのが好きなわけではありません。かといって、タイやトルコなどは暑すぎて耐えられなかったりする。ロシア人にとっては、セルビアの気候は暑すぎず寒すぎず、雨の日も少なく、移住先の気候としては理想的といえそうです。年によっては夏の暑さが40度を毎日超えることがあるのが唯一の難点かもしれません。そしてそんなに暑くなるのに海がないこと。でも近くにギリシャやモンテネグロ、クロアチア、アルバニアの美しい海があるので、そこは目をつぶれるかも?

温暖な気候で緑豊かなセルビア

 

言語も文化も似ている

同じスラブ語系に属するロシア語とセルビア語は、発音やイントネーションはかなり違うものの、似ている単語も多く、文法も似ているため、ロシア人にとってはかなり習得しやすい言語です。大抵、ロシア人はセルビアに来て3~4カ月で基本的な会話ができるようになります。また、文化的な面でも、旧共産主義国だったり、大半の人は正教会を信仰していたりと、似ている面が多く、ロシア人にとっては馴染みやすいコミュニティと言えます。何と言っても、セルビア人はロシア人が大大大好きなので、そういう意味でも住み心地は良さそうです。

 

ロシア人から見たセルビアのダメなところ

美容室や修理などのサービスのレベルが悪い

セルビアのゆったりしたメンタリティが裏目に出るのがサービスの質です。美容室についていえば、きちんとトレーニングを受けた美容師が本当に少ないのが素人目線でも明らかです。知り合いの腕のいいロシア人の美容師さんのもとには、セルビアのサロンで困ったことになったロシア人がこぞってやって来ています。

美容室以外にも、家や車、パソコンの修理などが必要になったら、「必ず」知り合いのつてで、腕の良い修理士を紹介してもらわないといけません。そうしないと、ちゃんと修理してくれないか、最悪の場合、良い部品を取られて質の悪い部品に交換されているということもあり得ます。しかし、腕が良くて正直に働く修理屋さんはいつも忙しいので、すぐに来てもらえないこともあったりします。

ソーラーパネルの取り付けを事業にしている知り合いのロシア人は、セルビア人の労働者はクオリティを意識せず適当に働く人が多いので絶対に雇わないことにしているそうな…。

このように、セルビアのサービスレベルに関しては、多くのロシア人がもどかしさといら立ちを感じているようです。

 

仕事がない。特に外国人は。

ヨーロッパとはいえ、このバルカン半島の国々の経済状況は良いとは言えません。セルビアの失業率は20%以上、平均月収は250ユーロと言われています。仕事があったらあったで週6日勤務が普通だったりと、労働環境も良くなかったりします。このセルビアの失業率を少しでも改善する目的なのか、外国人よりセルビア人を優先して雇用し、必要とされている業務をこなせる人がセルビア人の中に見つからない場合には外国人を雇ってよい、というような決まりがあるようです。なので、よほどセルビアでニーズの高い専門的職を持っているのでない限り、外国から移住してきて、どこかの会社に職を見つけるということは期待できません

なので、ここに住むロシア人は大抵、会社を作る(個人事業主になる)か、フリーランスになるか、のどちらかの選択を迫られることになります。自分の会社を持てばそれを理由に長期滞在ビザももらえますが、フリーランスの場合に長期でセルビアに住むのは少し面倒くさくなります。3カ月に一度、国外をでて観光ビザを更新するか、不動産を買って不動産所有の長期滞在ビザを発行してもらうかのどちらかです。実際、フリーランスとして住み続けるのが大変になり、本国に帰ることにしたロシア人もいます。

 

暖房費、ガソリン、税金、輸入商品が高い

モスクワなどと比べれば家賃はぐっと安くなるものの、毎月出ていく光熱費、特に電気代や、ガソリン代はロシアと比べて割高です。ガソリンはロシアの二倍の価格ですし、冬場のセントラルヒーティングのために、冬場だけでなく夏場も、毎月50~100ユーロ(約6000~12000円。家の大きさによる)払わなくてはいけないのは、ロシア人には理解しがたいシステムといえます。

個人事業主の場合は、月の収入にかかわらず、最低9000円程度が税金と年金、健康保険料として出ていき(日本からしたら夢のような安さかもしれませんが…?)、さらに個人事業主は基本、会計士を雇わないといけないのでそれに毎月最低6000円程度。移住してきて、言葉もまだよくわからず、固定客もいないなかでこれだけの固定支出があるのは中々厳しいもの。

さらに、オンラインショッピングの大好きなロシア人にとって悩みの種は関税の高さ。50ユーロ以上の買い物では関税が20%以上かかるため、AliExpressでスマホなどの電子機器を買えば、かならず20%(酷いと30%くらいのときも)の関税が上乗せされてしまいます。ロシアやウクライナ、中国などから商品を仕入れてセルビアで売るというビジネスを展開したいロシア人にとっても、この関税はかなり厄介な存在のようです。

 

バルカンの食事に飽きる

肉、肉、肉…の食事に飽きるロシア人は実は結構います。ロシア人は魚も結構よく食べるし、寿司も大好きな国民。また、ロシア料理だけでなく、中華料理、韓国料理、中央アジアのエスニック料理、寿司、イタリア料理…など、結構いろんな食文化に興味を持ち、チャレンジ精神があります。

セルビア人は食に関しては、自国文化にかなりの自信と誇りをもつ人たち。そして、魚はあまり好きではなく、生魚を使った寿司はもってのほか。90%以上のセルビア人は寿司が嫌いだと思います。(私自身、「寿司が好きなんだ」というセルビア人に会ったことがまだありません)

そんな人たちなので、街中のレストランも、セルビア(バルカン)料理とピザ、パスタを中心としたイタリア料理が大半を占めます。寿司を含む日本料理屋やロシア料理、中華料理などを展開するレストランもありますが、かなり少数派で、セルビア料理レストランと比べるとどこも割高。

どこにでも寿司バーがあるモスクワとは違った、バルカンの食事情に飽きてくるロシア人は少なくないようです。とはいえ、ロシア人も基本は肉とジャガイモとパンが食の中心ではあるので、家にロシア料理が作れる奥さんがいれば十分かもしれません。

 

まとめ

以上の長所、短所を見てみて、「なぜロシア人はセルビアに移住してくるのか」を改めて考えると、やはり家族で住むことを考えた時の安全面や、言語の習得のしやすさ、文化への馴染みやすさ、気候などが大きなウェイトを占めているのではないかと思います。質の悪いサービスは知り合いのつてでロシア人か腕のいいセルビア人の修理屋さんを紹介してもらうとか、高いガソリン代、光熱費などは節約するとか、自分である程度コントロールできますし。あとは収入減となる仕事さえ何とかなれば…ですね。

ロシア人は移住先でもロシア人同士の交流があって、その中で仕事を見つけたりもできるので、セルビアでのロシア人コミュニティが大きくなってきている今、さらに今後増えていく可能性は高そうです。セルビア人はきっと大歓迎でしょう。日本人は少ないですが、日本人としても居心地がいいと相変わらず感じているので、興味のある方はぜひ。まずは旅行に来てみてください。ということで、Welcome to Serbia! Welcome to Belgrade!

 

belgrade cafe

セルビアの経済事情 平均収入250ユーロの厳しさと、意外に「優雅な」生活のカラクリは…

セルビアに住み始めて1年と9か月になりました。

最初は観光客+αくらいの位置づけで住んでいた自分たちも、生活に慣れ、だんだん言葉がわかってくるようになり、現地の知り合い・友人が増えてくるにつれ、最初は見えなかったこの国の難しい問題、暗い面が見えてきます。

私が現地の人たちを見ていて感じる一番深刻な問題は、失業率の高さと収入の低さ

 

セルビアの平均収入は250ユーロ程度

身近な人、友人や知り合い、ご近所さんの懐事情を聞くと、この国で仕事を見つけて普通の生活を営むための収入を得るのはそう簡単ではないと感じます。

平均収入が250ユーロ程度(日本円で3万円くらい)というのがその厳しさを物語っていると言えるでしょう。

 

しかも、週6日、一日8~10時間働いて、たったこれだけの給料なんていうことがざらにあります。

首都ベオグラードにある、名の通ったホテルのベッドメイクの仕事が時給なんと1.2ユーロ…(つまり150円くらい!!)。

プログラマーなどの比較的給料の良い仕事なら、月給700ユーロ~1000ユーロなので、この国の生活費を考えればまぁまぁと言ったところでしょうか。(この国で月1000ユーロ以上稼いでいる人は「高給取り」です)

 

じゃあ平均収入の250ユーロで首都ベオグラードで暮らしていけるのか、というと、ほぼ不可能です。
共働きで500ユーロでギリギリといったところ。

持ち家があればいいですが、賃貸で住んでいるような若い夫婦などはもう少し必要になります。

 

失業率は実質30%くらい

仕事を探すのも楽ではありません。経営者としてビジネスを営む立場も、高い税金の支払い、雇用者の福利厚生などの経費負担は楽ではなく、できるだけ経費・人件費を抑えるため、雇う人数を少なくして何とか回しています。

だから、雇用者の一人当たりの負担が大きくなり、週6日(酷いと週7)で働かされることになってしまうし、仕事に就けない人も増えてしまう。

最初は心のどこかで「ちゃんと働く気がないから見つからないんじゃないのか」と勘ぐっていた節があるのですが、働きたくても働く場所が見つからない子たちがいることに気づき始めました。

 

カザフスタンにいたころに、オンライン上で見つけた統計情報では失業率が20%と書いてありましたが、ここに来てからは「30~40%くらいじゃないか」という感じがしますし、実際そういう話をよく聞きます。

カザフスタンも経済事情は楽ではなく、失業率は同様に高いですが、そんな環境に慣れた夫も「この国の労働事情がこんなにひどいとは思ってもみなかった」と言うようになっています。

 

仕事があっても大変、仕事がなくても大変な国なんだなと。

しかし、意外に優雅な生活…「えっ?」

とはいえ、街中を歩いて、人々の様子を見ているだけなら、決してそんな苦しい生活をしているようには見えません。
それがこの国の不思議なところ。

belgrade cafe

ベオグラード中心にあるレストランやカフェ、バーには(夏場は特に)いつも人がたくさん入っているし、街中を歩く人たちはお洒落な人たちもかなり多い。

週末にショッピングセンターに行けば、ヨーロッパの他の国と同じように、ZARAやH&Mなどのファストファッションブランドで買い物する人があふれています。

車も時々懐かしの「ユーゴ」が走っていることもありますが、プジョーやルノー、BMV、Fiatなどの新しいモデルもよく見かけます。

アップル製品が好きな人も多いし、実際に若い子の中でもiPhoneユーザは結構多い。

 

「優雅な生活」というほどではないかもしれませんが、一見、日本や他のヨーロッパ諸国の普通の生活とあまり変わらないのでは…と思うような生活レベル。

 

なのに「この国の平均所得がたったの250ユーロ(3万円くらい)」と聞いたら、
「ん…????」ってならないでしょうか。

 

でもそれがこのセルビアの経済事情。

 

 

セルビアの生活事情を皮肉った笑い話があるのですが、まさにこの通りのことが起きている感じです。
まずはそのネタをご紹介。

 

セルビア人とアメリカ人の懐事情についての会話

アメリカ人があるセルビア人と家計について話しています。

セルビア人はアメリカ人に聞きました。「毎月の給料はどれくらいなんだい?」

3000ドルだよ」アメリカ人

セルビア人「で月々の支出は?」

「1500ドルくらいかな」アメリカ人

セルビア人「え、じゃあ残りのお金はどうしているんだい?」

「うちの国ではそういう質問はしちゃいけないんだよ。
で、君の給料はいくらなんだい?」
アメリカ人

セルビア人「200ユーロだよ」

「で、支出は?」アメリカ人

セルビア人「1000ユーロくらいかな」

「え…???じゃあどうやって暮らしてるの??(汗)」アメリカ人

セルビア人「うちの国ではそういう質問はしちゃいけないんだよ。」

「…」アメリカ人

 

200ユーロの稼ぎだけで、1000ユーロ分の生活をしているという、なんとも不思議だけど、あながち嘘ではないような笑い話。

「800ユーロ分」のお金はいったいどこから捻出されているか。。

 

実は、ここには一つのからくりがあります。

 

生活費800ユーロ上乗せできるそのカラクリとは

それは、ヨーロッパのより経済的に安定した国々(ノルウェー、ドイツ、スイスなど)やオーストラリア、アメリカなどに移住した親戚がお金の援助をしているというもの。

 

実際、2000年までの旧ユーゴスラビア内戦とその後の経済危機をきっかけに、ヨーロッパやオーストラリアには相当なセルビア人が移住しているようです。

どれくらい移住しているのか、気になって調べてみたところ、以下のような統計を見つけました。

 

ドイツ: 約22万1千人
オーストラリア: 約18万7千人
スイス: 約7万8千人
フランス: 約4万8千人
イタリア: 約4万4千人

その他、ノルウェー、スウェーデン、アメリカ合衆国などにも多数移住。

 

ざっと計算するだけでも約60万人のセルビア人が外国に住んでいるということになります。
セルビア本国に住んでいるのが800万人ですから、結構な割合ですよね。

さらに、上記はセルビアの国籍を持っている人たちですが、帰化た人達もいることを考えるとさらに多い可能性が高いです。

 

彼らは親族の期待を一手に担い(というのは大げさなようで本当っぽいですが)、セルビアに残されたかわいそうな親族たちに暮らしの助けを差し伸べている。ま、先ほどの笑い話にあるように月々800ユーロも仕送りしてくれる親族はそう多くはないでしょうが…。

アップル製品は、そういう親族や知り合いからのおさがりがセルビアに流れ込んでくるから、アップルユーザも多い。

もちろん、本人が実際にヨーロッパ各国に数か月、出稼ぎに行き、たっぷり稼いで帰ってくるということもあります。

 

この話は、結構いろんな人から耳にする話なので、実際そうなんだろうなと。

まぁ何だか納得。

 

おまけのカラクリその2

一見高くつきそうで、実は安くすませられる方法があるというのも「安い給料でいい生活」ができるカラクリではあります。

会話好きで外に座って時間を過ごすのが大好きなセルビア人は、カフェやレストランのテラス席で、実はそんなに注文せず、ビール一杯やコーヒー一杯だけで、何時間も延々とこのいい季節を楽しむことができます。(だからいつも人がいっぱいに見える)

あと、一皿のボリュームが惜しみなく多いことが多く、2人で一皿分を頼んで分けるというのも全然OK。それを恥ずかしく思う必要もないし、もしたくさん頼みすぎて余ってしまったらパックに入れて持ち帰りさせてくれる。ということもあって、レストランで食べるのもそんなに敷居が高い訳ではなかったりします。

洋服も街中にヨーロッパ各地から比較的良質な古着を仕入れてくる古着屋さんがたくさんあり、そういうところで上手に買い物をすれば全然みすぼらしく見えない。(私も掘り出し物探しに、よく古着屋巡りをします。笑)

 

夏のバカンスには、一人当たり100ユーロ未満でギリシャに10日間滞在できるツアーがあったりします。
ツアーといっても添乗員がつくとかではなく、行き帰りのバス代と宿泊費で100ユーロですが、ハッキリ言ってこれは激安もいいところです。

こうしてあまり裕福と言えない人たちも、夏にはたっぷりの休暇をギリシャの青く輝く海で楽しむことができているというわけです。

 

平均収入がたったの250ユーロでありながら、そうとはとても思えないようないい生活をしているセルビア人。

タイトルに書いた「優雅な生活」とは少し違うかもしれませんが、彼らの生活スタイルを見ていると「生活大変なはずなのに、何だかんだ良い生活をしているのでは」と心の中で思うことはあります。

何だか不思議ですが、その不思議な感じが成り立っているのがこのセルビアという国。

 

まとまりがないですが、以上がセルビアに2年弱住んで見えてきたこの国の生活事情でした。まだまだこれから見えてくる裏事情がありそうです。

 

日本では馴染みがなかったけど、飲みやすくて体も喜ぶハーブティ4種

セルビアに来てから毎日ハーブティを飲むようになりました。

セルビアでは「チャーイ」(お茶の意)といえば、紅茶ではなくハーブティのことを基本的に指します。さほど大きくないスーパーの場合、ハーブティは15種類くらいは置いてあるのですが、紅茶はないことが多いです。それくらいハーブティがここでは生活に浸透していて、お茶の時間に飲むならコーヒーかハーブティか、という感じ。

値段も安い(20ティーパックで25~100円くらい、種類による)ということも手伝って、我が家もすっかりハーブティのある生活となりました。

私も代わる代わる色々試してみましたが、飲みやすいのは大体10本指に入るくらいかなと。そのなかでも、日本にいたころはあまり馴染みのなかったもので、この4つはおススメというのを挙げてみました。

 

ネトル

ロシア人もよく使うネトルというハーブ。「9種のハーブを配合したハーブティ」みたいなブレンドハーブティの中にもよく入ってます。

西洋イラクサともいわれ、普通にヨーロッパ・ロシア地域では道端に生えていたりします。

イラクサという名の通り、生の葉は触るとかなり痛いです。ある時、道端で近くに生えていたミントと見間違え、ミントの匂いを嗅ごうと思って葉をおもいきり触ったら…「!!!!」。

言葉にできない痛みが瞬間的に走ります。その後もビリビリとした痛みがしばらく(半日くらい)続くので要注意。

ロシア人のご近所さん(おばあちゃん)に、「昔はボルシチに入れて食べたりもしてたんだよ」と言われました。ネトルのお茶は好きだけど、ボルシチとの組み合わせってどうなんだろう…。

ネトルには血液をきれいにする作用や、抗アレルギー作用があるようです。鉄分補給にもなるのだとか。個人的には癖がなくて飲みやすいので、ミントやタイムティに飽きたな~と思ったらネトルを飲んでいます。

「ヒスタミン」という成分に抗アレルギー作用があることから花粉症を始めとしたアレルギー体質の方に効果的

引用元:http://www.herb-magazine.com/%E3%83%8D%E3%83%88%E3%83%AB

 

タイム

これは日本でも割とよく飲まれているかな?日本ではハーブティとしてより、料理に使うことが多いような気がしますが、セルビアではおそらくハーブティの中でミントと並ぶポピュラーなお茶です。

タイムを自分で採ってきて乾燥させて自家製ハーブティにしている人もいます。

飲むと精神的に落ち着いて、よく眠れるらしい。私は飲むと頭がすっきり覚めるような気がします。(あれ?)

殺菌作用に優れているので、呼吸器系の風邪の時に飲むとよいです。

ある寒い日にセルビア人のお宅に行く機会があって、ハチミツたっぷりのタイムティを出してくれたのがきっかけで大好きになりました。そのままもおいしいけど、ハチミツ入りは絶品のハーブティ。

「チモール」という成分が殺菌作用の素で、喉の強い痛みや喉の荒れに効果を発揮し、気管支炎や咽頭炎を和らげてくれます。

引用元:http://tea-clip.com/thyme-tea/

 

アロニア

ブルーベリーと似ているけどさらに黒っぽい色をしたベリー。チョークベリーともいわれているようですね。

ブルーベリーと同様、アントシアニンというポリフェノールが豊富で、PC作業が長く続いたときなど、目の疲れがとれるかなと飲んでいます。

それほど実感があるわけではないですが、飲んで悪いものではないだろうし。ベリー系のハーブティは色々あるけど、飲みやすいのはこのアロニアとチェリー。

「アロニア」で調べたら「脂肪燃焼効果」があるとか。生でも売っているけれど、フレッシュな状態ならブルーベリーのほうが断然おいしいかなと思います。

アロニアには血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、体内に無駄な脂肪がつくのを防ぐだけでなく、体重を減らす働きがある

引用元 :http://www.skincare-univ.com/recipe/bihada/article/002563/

 

ウワウルシ

効能を調べてみたら、なんと美白効果があるという話もありましたが、「美白」に興味のある女性が少ない(日焼け大好き。真っ白は美しくないとされるヨーロッパ的思考)セルビアでは、もっぱら膀胱炎の対策として飲まれることが多いです。

昔から尿路の消毒に利用されてきたハーブですが、現在では美肌効果が注目されています。

ヒドロキノン誘導体にアルブチンという成分が含まれており、メラニン色素の産出を防ぐため、肌を美白にするハーブとして注目を浴びています。

引用元:http://herb-store.net/item/uva-ursi.php

膀胱炎ならクランベリーのほうが有名だけれど、お茶としての味はウワウルシのほうが飲みやすいくて好き。クランベリーよりも安く買えるのも魅力。

「寒い季節になってからどのスーパーでもウワウルシのお茶を見かけるようになったな」と思っていたら、つまりはそういうことだったんですね。下半身の冷えから膀胱炎になることが多いので、寒い季節はきっと多くの女性が飲んでいるのでしょう。私もこの冬から定期的に飲んでいます。

 

余談

ロシア人もハーブティは飲むけど、具合の悪いときとか、何か慢性疾患を患ったときに飲む感じで、とにかく紅茶がメイン(やはり寒いから?)です。

ミルクティー好きのロシア人の夫がいる我が家は、あいかわらず紅茶をよく飲んでいますが、近くの小型スーパーには紅茶が売ってないことが多く、しかもハーブティの3~4倍のお値段がします。

そんなわけで紅茶を切らしたときはひたすらハーブティを飲むことになるのですが、やはり紅茶の美味しさはまた別だなと。体もじんわり温まりますし。また買いだめしに行きます。

大好きなセルビア。これからも住みたいけど、でもこれだけはちょっと勘弁!な3つのこと

ベオグラードに来てから1年3カ月たちました。セルビア語にもだいぶ慣れてきて、通常の暮らしにはさほど困らなくなったり、現地の人の会話が分かるようになってきたこの頃。

私たち夫婦はベオグラードの生活にはかなり満足しているほうで、今後もしばらくここに滞在し続けたいと思っていますが、慣れてきたからこそ見聞きするセルビアの良くないところも色々あります。

これまではベオグラードの生活の良い面を中心にブログに書いてきたので、今回はちょっとセルビアのマイナスな面に目を向けてみたいと思いました。

一般にセルビアの問題としてよく話題になるのは

  • 失業率の高さ:20%とも30%ともいわれる
  • わいろなどの不正
  • 公共サービス(医療その他)のレベル
  • 人々の怠惰

などですが、どれも以前住んでいたカザフスタンと比べると「まぁ問題なんだろうけど全然マシだよね」という感じになっちゃいます。話に聞くと結構「えぇ~」と思うようなこともあるのですが、まだこの国でさほど嫌な思いを自分が経験していないからか、今のところ上記のようなことはさほどストレスにはなっていません。

個人的に生活していて「これはちょっ辛いな」と思うことを考えてみて、パッと思いついたのは以下の3つでした。辛い度の低いものから順に書いていきます。笑

 

セルビアで辛いこと第3位: 食後に甘いものをコーヒーやお茶なしで食べる習慣

セルビア人の家族が時々ご飯に呼んでくれることがあるのですが、大抵の家庭では以下のような順番で飲み物、食べ物がでてきます。

到着後

コーヒー、お茶、お水、ジュース、ラキヤ(バルカン半島の強いお酒)、アルコール類など、まずは何を飲みたいかと聞いてくれます。ここで大抵は食前酒としてラキアなどアルコールか、コーヒーを頂くことが多い。で、しばらくは飲み物だけでしゃべったりしていて、そのうちじゃあご飯にしましょうか。となる。

メインを頂く

サルマ(バルカン地方のロールキャベツ)やスープなどの食事がでてくることもあれば、スモークハムに塩味のマフィンのような軽食が出されることもある。お客さんがたくさんいるときは軽食風でソファに座っていても食べやすいものを出してくれることが多いような気がする。

食後

ここで最後に出てくるのが自家製の甘ーいケーキ、チョコ菓子、クリームたっぷりのクレープ(パラチンキという)など。日本人の感覚からすると相当に甘味が強い。大きなクリームたっぷりの甘いケーキやクレープをお茶もコーヒーもなしに食後に平らげるのは中々至難の業だったりする。

でもコーヒーは既に最初に飲んでいるため、ここでケーキと一緒にコーヒーやお茶が出てくることはない。

ここに住み始めて間もないころに一度だけお願いしたことがあって、「甘いものを食べるのにお茶かコーヒーを一緒にお願いできますか」と夫が頼んだら、かなりビックリされたことがある。(ロシア人の夫からしてもお茶なしに甘いものを食べるのはなかなかキツイらしい)。その時はとても美味しいタイムのハーブティを淹れてくれた。

頼めばお茶でもコーヒーでも淹れてくれるに違いないが、何だか自分たちだけのために毎回お願いするのは気が引けてしまう。

 

ただ、食事じゃなくてお茶に呼ばれるときは別で、コーヒーと甘いものを一緒に出してくれるのが普通。食事となると前述のような順番になるのが未だに不思議。

セルビア人のもてなしの心は素晴らしいと思うのだが、あの食後の甘いケーキはちょっと辛いと思ってしまう。

 

※セルビアでは、食べたくないときはハッキリ「ネ、フヴァラ」(No thanksの意味)と断っても基本大丈夫。失礼にはならない。でも雰囲気的にはやっぱり用意してくれたものは食べて「おいしいですね」と言ったほうが絶対にいい。

 

 

セルビアで辛いこと第2位:サマータイムが終わった後、11月~2月くらいまでの日暮れが早すぎ

この国は真冬でも朝6~7時には明るくなるようにタイムゾーンが設定されているのか、たまたまそうなのか知らないが、夏時間が10月後半に終わって1時間ずれると日の入りがぐっと早くなり、16時を過ぎるともう暗くなり始めてしまう。(時間がどっちにずれるか、ということを考え始めるといつも頭の中が混乱するのであえて書かないことにする。日本との時差で言うなら、夏は日本との差が7時間、冬場は8時間)

学生や仕事で朝6~7時台に家を出る人たちもいるので、そういう人たちのことを考えると確かに少しでも早く夜が明けたほうがいいよね、とは思うのだけれど、我が家の生活パターンにこの日暮れの早さは辛い。

これまで何度も朝型の生活に切り替えようと努力してきたのだが、大抵3日坊主で終わり。結局、夜型の生活を送っているため、朝はよほどのことがない限り7時などには起きない。大抵は8時~10時の間。

特に寒い冬場の朝、太陽も出ない曇りの日などは最悪で、朝10時になっても真夜中に起こされたような気分になる。ひどい眠気と闘いながらようやく起きてきて遅い朝食を取り、近くに買い物に行って家事や仕事をしていたら、「あれ?もう日が暮れちゃった???」と。

暗くなったころにアクティブになるような生活パターンはやっぱり好きではなく、毎日時間を無駄にしながら生きているような気がしてしまう。あれ、でもこれってセルビアがどうのっていうより夜型の自分たちの問題ですかね。。

でも辛い。春よ、早く来い。

 

 

セルビアで辛いこと第1位: 副流煙の被害は必至!な喫煙者の多さ

他の2つと比べたら比べ物にならないくらい困ってます。性別年齢関係なく喫煙者の多いこと。

私は色んな国を旅してきたけれど、ここまで煙草を吸っている人がそこら中にいる国はあまりなかったように思う。

歩きたばこも普通だし、セルビア人の大好きなカフェタイムももちろんタバコは欠かせない。カフェやレストランの分煙もさほど徹底されていないことが多いため、近くに座る人たちからの煙でカフェを出るころには髪の毛も服もたばこの匂いがまとわりつく

バス停で待っている人が5人いたら2人は絶対タバコ吸って待ってる感じ。

病院の前を通れば医師や看護師さんが病院の前で白衣姿でタバコを吸っているのを見かける。

知り合いから聞いた話では、少し前までは病院の中でもお医者さんがタバコを普通に吸っていたとか、妊婦さんが平気でタバコを吸っていることもあるとか。恐ろしすぎる!

 

あとは、子供と手をつないで歩いている母さんやおばあちゃんがタバコを吸っているのもよく見かけるのだが、明らかに子供に煙が回っており、あんな小さいころから副流煙をずっと吸わされているのが気の毒でならない。

明らかに経済苦で困っている人でもタバコだけは肌身離さず持っている姿を見るのもいたたまれない気持ちになる。経済的なストレスが大きすぎるのが原因なのか、たばこをやめられないから経済的にも苦しくなっているのか、何とも言えない感じだ。

自分が副流煙を吸いたくないというのもあるが、これほど喫煙者が多いのは何か社会に問題があるからに違いないという気分になってちょっと暗くなる。

最近は公共エリアでの禁煙や分煙をしっかりしたカフェが今後促進されていく兆しはあるようだが、本当に一刻も早く何とかしてほしい願っている。

 

 

 

というわけで書いてきましたが、書いてみて思ったのは、まぁそんなに「辛い!」っていうほど酷く辛いことではないなと。喫煙率の高さだけは本当に問題ですが、ロシア・カザフスタンのアル中の多さよりはマシかもしれません。

なんだかんだ、やっぱりここでの生活が好きなんだと思います。2017年もまたビザの更新がうまくいって滞在できますように!

ベオグラード中心部のホテル「モスクワ」のカフェ

格安でデザイン・スペックともに良い感じなセルビア国産ブランドTESLAのタブレットを買ってみた

セルビアに来て半年たったころ、何気なくショッピングセンターでスマホやタブレットを見ていたらTESLAという名前がついた製品が幾つかありました。

これ、実はセルビア産のテクニカブランドなんです。

 

セルビアが誇る天才科学者ニコラ・テスラにちなんでつけられたメーカー名だと思いますが、「そもそもセルビアってこんな小さな国なのに、国産のテクニカブランドなんてあったんだ!?」なんて思わず思ってしまいました(失礼!)

 

よく見てみれば、

バスに乗っているとTESLAのスマホをいじっている若者たちがいたり、

地元の人の家にお邪魔するとTESLAのテレビがおいてあったり。

 

スマホやタブレットだとSamsungがやはり一番人気かなという感じですが、TESLAも本国セルビアでそこそこ評価がされているようではあります。

レベル的には上流(?)の中華パッド、中華スマホと同じくらいかなと思います。最近流行りのファーウェイとかと並ぶ感じ。

 

結構デザインもよくて、スペックのわりに安いし、個人的にも、なんだか気になっていました。

 

このところ仕事や勉強、旅行中のノートPC代わりにAndroidタブレットがあるといいなと思っていたので、

せっかくセルビアにいるし、中華パッドはあまり魅力がないし、珍しさもあってTESLA製タブレットを買ってみることにしました。

 

購入したのはM83Gモデルというやつです。

公式サイトのページはこちら→ TESLA Tablet M8 3G

Android tablet tesla m83g

 

スペックはというと

  • CPU  Intel Atom x3 (Sofia 3GR) 1.0 GHz クアッドコア
  • RAM 2 GB
  • HDD 16 GB EMCP
  • Android 5.1.1 Lollipop
  • 画面 8インチ IPS液晶
  • 解像度 1280×800
  • サイズ 217.4 x 123.29 x 10.3mm
  • 重量 350 g
  • 対応SIM- 3G Voice, 900/2100
  • Wi-Fi 802.11. b/g/n
  • GPS + AGPS
  • micro USB 32GBまで対応
  • カメラ 背面・前面それぞれ 2.0 Mピクセル
  • バッテリー 4200 mAh
  • Bluetooth 4.0

 

とずらずら書いてしまいましたが、スペックは格安パッドにしては悪くないと思います。

 

8インチでクアッドコア、RAM2GB、解像度1280*800なら、そこそこ綺麗に、そこそこ速く動くだろう
という感じで考えていました。

 

あと将来的にSIMカードを使うかもしれないことを考えてSIMフリーモデルを選択。

普通これくらいのスペックだと2万円はするのかなという感じですが、現地価格でセール値引き&円高も手伝って15,000円程度で購入。

これは結構なお得感あります。

 

見た目は、高級感があるというよりは、カジュアルな感じが強いですが、縦長で素材もホールドしやすい。

tesla tablet

 

デメリットはカメラですね。

写真はいつもデジタルカメラで撮るので特に期待もしていなかったですが、実際カメラの質はよくないです(笑)
でもそれ以外の使用感はかなりいい感じ。

スムーズに動くし、女性の私でも片手に持って電子書籍を読んだりするのも快適。

YouTubeで高画質の動画もちゃんと観れるし、ゲームも軽いのであれば全然大丈夫でしょう(時々Angry Birdsで遊んでます)

 

あと、結構海外のスマホやタブレットだとシステムの日本語化が面倒くさかったり、綺麗な日本語にならなかったりするのですが、このタブレットは簡単に設定画面から日本語を選べます。(デフォルトで相当な言語に切り替えられる模様)

TESLA日本語化

 

設定画面が日本語って、別に英語でもいいんですが、海外に出てから日本語がちゃんと使える端末を買ってなかったのもあり、きれいな日本語が表示されてちょっとテンション上がりました(笑)

tesla-setting

 

文字を追う時のもスムーズ。

tesla tablet

画質も悪くありません。

tesla6

 

用途としては

  • Kindleなどで本を読む
  • ネットで調べもの
  • メールチェック
  • YouTube等で動画を再生する
  • InstagramやFacebookなどのSNSの利用
  • 軽くゲームをする

くらいの普段使いには十分。

 

特に先日Amazon Unlimited読み放題プランが解禁になったおかげで、このタブレットで本を読む機会も増えそうです。現に今月はほぼ毎日Kindleアプリで何か読んでいます。(いや本当に海外在住者にとってもかなりありがたいサービス!)

 

以前に購入した格安タブレットは安かろう悪かろうな感じで、すぐに使えなくなってしまいましたが、このタブレットは「わりと安いのに結構ちゃんと使える」みたいなお得感が気に入っています。

 

  • 格安タブレットを探しているけど中華パッド以外がいい方、
  • 二台目以降の安いサブタブレットを探している方、
  • 珍しいもの・ガジェット好きの方には

オススメしたい一台です。

 

セルビア在住の方はGigatronでセール価格で買えます。

→ Gigatron Tesla Tablet M8 3G

 

日本その他の国の方はebayから購入できます。

→ New tablet Tesla M8 3G, android 5.1 16Gb Intel Atom quad core

 

 

ベオグラードの人工島Ada Ciganlijaはふらっと行って自然を楽しめるお勧めスポット

セルビアの首都ベオグラードは夏本番。

子供たちも夏休みに入り、暑さにつかれた大人たちも休みが欲しいな~という気分になっています。

 

2週間も休暇をとれる人たちは近場で美しい海のあるギリシャやモンテネグロ、クロアチアなどへ出て行ってしまいますが、

ちょっとした空き時間にふらっと自然の空気を吸いに行きたい、
ちょっと水辺で太陽の光を浴びたい

というプチ休暇を楽しむのに絶好の場所が、ベオグラードの中心部にあります。

 

それが今回ご紹介する人口島Ada Ciganlija(アダ・ツィガンリヤ)。

ベオグラードっ子も大好きな場所のひとつで
観光で夏にベオグラードに滞在される予定の方は、ぜひ足を運んでいただきたいスポットです。

 

川沿いでちょっと泳いで
そのあと川沿いにあるカフェでゆったり過ごすなんていうのもいいかもしれません。

 

ただし週末は「人ゴミ」のごとく、ものすごい混みます。。ゆっくりしたかったらぜひ平日に。

では以下、どんな感じの場所かレポートします。

アダ・ツィガンリヤの場所

地図で見ると、ベオグラード中心部から少し南にいったところ。
鉄道、バスの中央駅からだと、市内バスで10~15分くらいでつきます。


ベオグラード市内を通る川の一つ、サヴァ川に人工的に作られた島で、
いわゆる「セントラルパーク」的な存在かなと思います。

目印はサヴァ川でひときわ目立つこの橋。

ada ciganlija

そして、炭酸水でおなじみのKnez Milosの巨大ボトルから噴き出す噴水

ada ciganlija

これは夕暮れ頃に散歩したときの写真ですが、確か土曜日の夕方で、帰りの車がものすごい行列になってました。

(久しぶりにああいう光景を見た)

 

アダ・ツィガンリヤでできること

ゆっくりするのもアクティブにスポーツを楽しむのも両方できるのが魅力。

  • きれいな小さな石が敷かれている川辺で日光浴
  • 川で泳ぐ
  • 川沿いのカフェでゆっくりする、食べる・飲む
  • 大きな木がある森の間をサイクリング、散歩、ランニング、ローラースケート
  • ゴルフやテニスをする
  • 木陰でチェスに興じる
  • 木陰でピクニック、読書

などといったことができます。

人工的に作られた島なので、本物の「自然」ではないですが、木がたくさんあって、水辺もあって…人が楽しむ「自然」としてはなかなかの場所です。

しかも入場料は無料(自動車の場合は駐車場にお金がかかるかも。でも高額ではないと思います)

 

サヴァ川で泳いでみた

アダには夕方散歩したりすることは何度かあったのですが、
私は(一応日本人らしく?)そんなに日焼けすることに執着がないので
「泳ぎ」は何となく先延ばしにしていました。

 

しかしベオグラードは一応「ヨーロッパ」。

ヨーロッパの人たちは夏になれば日焼けしていないと
「恥ずかしい」
みたいな感覚になるようですね。。

日本人が必死に日焼け対策をするのとは真逆。

6月ごろからもう、皆さん日に日にこんがり、良い色になっていっていきます。

 

ロシア人も「夏は日焼け」が価値あることとされているため、夫も「もう8月になった。夏の後半だっていうのにいまだに僕は白い…」とぼやきだす始末。。。

確かにTシャツで隠れない顔や首、腕はいい色なのに、泳ぐ格好になると、チョコとバニラのミックスのよう。。笑

ということで、意を決して泳ぎに行ってきました。

 

ある平日の午後4時ごろから数時間、川辺で寝そべって、少し泳いで、小腹がすいたらカフェでちょっと食べて…という感じで過ごしてきましたが、二人ともかなり満足でした。

 

おじいちゃんおばあちゃんから子供たちまで、みんな好きなように泳いだり休んだりしています。

サヴァ川で泳ぐ

 

 

川沿いは砂ではなく、小さな石。
温かくなった石の上に寝っ転がって結構いい気持ちです。

島の内側は大きな木がたくさんある森のような場所になっていて、空気もおいしい。

ada6

 

 

 

溺れる人がいないよう、ちゃんと監視のお兄さんが座っています。

普通の夏日なら、水は冷たくなくて気持ちが良い感じ。

ada ciganlija

 

時には水の中でこんなことをして楽しむ若者たちも。

ada ciganlija

 

対岸を拡大して撮影。同じように泳いだり川辺で休んだりしています。

ada5

 

ひと泳ぎしたら、カフェのデッキチェアでセルビアンバーガーを食べました。

デッキチェアはカフェで何かを頼めば無料。

ジュース(ビール)一杯200円くらい、写真のバーガーは250円くらいと少々割高感はありますが、ベオグラード中心部のカフェと同じくらいの値段かなという感じです。

場所代を考えたら安いものです。

serbian burger

もちろん、デッキチェアじゃなくて普通のソファっぽい椅子もあります。

 

夏のベオグラード観光ならぜひアダ・ツィガンリヤへ

なんといっても、市内にあるので、気が向いたらふらっと行けるのがいいです。

散歩するだけなら無料で済みますしね。

 

中心部からなら、Zeleni Venacというたくさんのバスが発着するバス停(バスターミナル)から52,53番バスでいけます。

ほかにも、各方面からバスで行けるのでホテルの人などに尋ねてみてください。

 

ベオグラードの夏の暑い日は35度~40度にもなります。

そんな暑い日は、昼間はホテルでゆっくりorショッピングセンターで買い物、
夕方からアダでひと泳ぎ、散歩&川沿いのカフェでゆっくりする。

なんていうのもいいと思います。

 

涼しくなったころの森・川沿いの空気はなかなか良いですよ^^

ベオグラードの孤島「Veliko ratno ostrvo (大戦争島)」は地元っ子も大好きなお散歩コースだった

暑くなりました。昼間は30度を超える日々が続いています。

曇っていると湿度が高く、日本の東京近辺を思い出すモワっとした暑さ。
初めてのベオグラードの夏ですが、思った以上にカラッとしていません(笑)

そんな暑さですが、街行く人々を見るとなんだか夏が来て嬉しそう。

そもそもセルビア人は外の空気を吸いながら休憩するのが大好きな人たち。

summer in belgrade

夕方の涼しくなる時間帯には特に、カフェのテラスや川沿いのベンチなどでゆっくり過ごしたり、散歩をしたりする人たちがたくさんいて、緑豊かで暖かい時期を楽しんでいる感じがします。

ベオグラード新市街(Novi Beograd)~ゼムン地区(Zemun)までのドナウ川沿いも地元っ子がよく足を運ぶ場所。

私たち夫婦もとある真夏日の夕方に散歩に行ったところ、これまでにはみなかったところに道が!

なんと、ドナウ川に浮かぶ小さな孤島まで橋が渡っています。

Lido in belgrade

 

この孤島の名前はVeliko ratno ostrvo (英語:Great war island, 日本語:大戦争島)。
16世紀のオスマントルコによる支配があったころにこの名前が付いたらしく、実は歴史的にも重要な意味を持つ場所でした。

地図上で見ると、この島はサヴァ川がドナウ川と合流する場所にあり、さらに東側は川をまたいで有名な要塞カレメグダンがあるのが分かります。

ベオグラードは歴史を通じて周辺の強国に入れ代わり立ち代わりで支配を受けていますが、要塞カレメグダンを攻撃するために、敵軍(あるいは解放軍)はこの島にまず入り込み、そこから要塞への攻撃を行ったとのこと。

そんな歴史ある島ですが、北のほうの先端にLidoと呼ばれる小さなビーチがあります。そのビーチの周辺が夏だけ解放されるようで、せっかくなので島まで渡ってみました。

 

橋の上から見るベオグラードの街並み

DSCN0600

 

橋から見える島の先端部分

lido

 

これが島の地図

great war island

 

夕方ごろに行ったので泳いでいる人はおらず、小さなボートでおじさんたちが陽気に会話していました。とにかくものすごい小さなビーチ(笑)(まあここで泳がなくてもいいかなっていう感じですが、子供はうれしいかもしれません。)

lido
川で泳いだらシャワーもOK

lido
大きな木の下で食事や会話を楽しめます

great war island
緑豊かで水遊びができるなど、家族連れや友人たちとちょっとしたピクニックをするにはうってつけな場所だなと思います。
フラッと散歩するのもOK。夕方のそよ風に吹かれながら新鮮な空気を吸うのも気持ちが良いものです。

DSCN0618

ベオグラードで普通の観光やショッピングに飽きたら、こういうお散歩コースをあるいてみるのも、なかなか贅沢な時間。

散歩の途中でちょっとどこかのカフェや水上レストランに立ち寄って一杯のコーヒーorビールを楽しむのもまたいいですね。
島の場所はベオグラードの中心からだと、Zeleni Venacのバスターミナルから704,707,84番で「Karađorđev trg(カラヂォールヂェヴ・トルグ)」というバス停まで行き、そこから川のほうに歩いて数分です。