生まれて初めて国境に置き去りにされた件(セルビア~マケドニア) 0

何回やっても慣れることがなく、いつも不安な気持ちになるのが、陸路での「国境越え」です。今いる国の国境でパスポートを渡して「出国」スタンプを押してもらい、そこから50メートルくらい先の隣国の国境でまたパスポートを渡して「入国」スタンプを押してもらう、というシンプルなプロセスではあるのですが、我が家にはたいていの場合ドラマが待っています。

この記事を読んでいる日本人の皆さんと同様、私は「世界一自由なパスポート」ともいわれる日本のパスポートを持っているため、大抵の国にビザなしで入国することができます。が、カザフスタン国籍を持つ夫の場合はそうはいきません。

この夏も、セルビアからマケドニアを通って、アルバニアへ旅行するという計画を立てた私たちには、旅の初めからトンデモな出来事が待っていました。

セルビアからマケドニアへ

去年の夏にマケドニアのオフリト湖で休暇を過ごし、風光明媚な場所が気に入った私たちは、今回海のあるアルバニアに行くついでに、オフリト湖近くに一泊しようという計画でいました。

バルカン半島を旅行する人は、各国を回ることが多いので、コソボを除いてセルビア→マケドニア→アルバニア→ボスニア・ヘルツェゴビナ→クロアチア、あるいは、その逆ルートでぐるっと周る人もおられると思います。今回計画していたのは、そういうバルカン一周旅行の一部だけを切り取ったようなセルビア→マケドニア→アルバニアの旅でした。

待ちに待った8月末。既に宿もBooking.comにて予約済み、バスのチケットも購入済み、あとは現地に行くだけ!そして出発!

セルビアの首都ベオグラードを夜12時に出発し、翌日の午前9時にはオフリトにつく長距離バスの利用です。すでにオフシーズンのため、オフリト行きのバスはガラガラで、ゆったりとした気持ちで出発し、まどろむこと数時間。午前4時か5時ごろには、すでに国境まで来ていました。

眠気眼でバスから降り、セルビアの国境にて出国スタンプを押してもらい、バスの中へ。数十メートル先のマケドニアの国境では、バスの運転手さんが皆のパスポートを集めて、まとめて入国スタンプを押してもらいにバスから降りていきました。

数分後、警察がバスに入ってくるなり、私の夫の名前を呼びます。夫は警察官とバスの外に降りていきました。

「いったいなにが!?」という思いがこみ上げる中、待つこと15分…。でもこの時点では、マケドニアに入国するのにビザがいるなんてことは全く思いもよりませんでした。去年はビザなしで普通に入国できていましたし、最近の夫は(過去の色々な経験から)国外に出るときは必ずビザ情報を確認するようにしているからです。

15分後、戻ってきた夫は「マケドニアに入るのにビザが必要になったらしい。」と…。

これまでは、国境まで来る前に(=旅の直前に)ビザが必要だった!と気づくケースか、国境でビザ不要なのに「ビザが必要だ」とか難癖をつけられて揉めて、結局大丈夫だった!というケースかのどちらかだったので、まさに国境まで来てストップがかかるのは初めて。

一瞬のどの詰まりました。この先は夫は入国不可=私だけ先に進む意味なし=二人でここでバスから降りることに。。

バスの運転手さんは「すごく残念だ」と申し訳なさそうに、私たちの荷物をバスから降ろし、そしてバスはマケドニアへと入ってきました。

夫が国境で聞かされた情報によると、つい2か月弱前に、カザフスタン国籍の人にはマケドニア入国にビザが必要ということになったばかりで、夫の前にも一人、カザフスタンの人が同じように国境で追い返される羽目になったとのこと。在セルビアの日本大使館ならこういう情報はすぐにメールで告知してくれるでしょうが、カザフスタン領事はそういうことは基本してくれません。夫は、旅の計画をしていた2カ月前にビザのチェックをして、大丈夫だと思っていたとのこと。このタイミングで…

※今、マケドニアでは「北マケドニア共和国」に国名を変更するかどうかでいろいろ政治的な動きがあります。個人的にはこれが今回のビザ要求の変更へとつながったのでは…という気がしています。(本当のところはわかりませんが)

 

国境で降ろされた私たちのその後

まずは、マケドニア側の国境でバスから降ろされたので、とぼとぼ50メートルほど歩いて、セルビア側の国境へ。いわゆる高速道路の料金所みたいな感じで、たいていの人は車の窓を開けて、窓口の警察にパスポートを渡し、スタンプを押してもらって先に進みます。私たちはそんなところを、歩きで窓口まで来て、パスポートにスタンプを押してもらう…という、変な人たち。

無事にセルビア側に入国し、その辺に立っている警察(警備員?)の人に、「ベオグラード行きのバスはいつ来るか?」と聞くと、「1時間後くらいに一台来るはずだ」と。「ちょっと先のガソリンスタンドに行けば座ってコーヒーも飲めるよ」と親切に教えてくれたのだが、「ちょっと先」は見たところ重い荷物を持って歩いて15分くらいかかりそう。万が一、バスが早めに来て乗り遅れたなんてことは避けたいので、その辺にある木の板に腰かけて待つことに。

もうこの時点で、私は「今年はアルバニアでのシーフード三昧は夢の泡。。セルビアの温泉にでも行ってゆっくりするか」と考えていたのですが、夫は何としてでもアルバニアに行く気満々。モンテネグロは確実にビザなしで入れると確認できたので、まずは一旦、ベオグラードの家に戻って、数時間仮眠して、夜にモンテネグロ経由のアルバニアに向けて再出発することになりました。

そして待つこと約1時間半。朝の6時半ごろだったと思いますが、「1時間で来る」と言われたバスは、30分も遅れてようやくやってきました。ちょうど、バスから皆、一度降ろされて入国手続きしていたので、それを待つバスの所まで急いで行って、「ベオグラードまで2席あるか?」と聞くと、「ある」とのこと。

「よかった、これでせめてベオグラードに帰れる。」と心の中で静かに喜びつつ、バスに乗り込んだのでした。

夜の12時に出発して、国境で早朝に起こされ、戻りのバスにのってベオグラードに戻ったのが昼の12時ごろ。ろくな睡眠もとれないバスの旅はなかなかハードでした。それでもまたこの日の夜に再出発しようとしていた私たちは、いったいどれだけアルバニアに行きたかったんでしょうね。。。

 

この記事で何が書きたかったのか…と、ここまで書いて今さら思いますが、これまでも「国境で降ろされたらどうなるんだろう…」と思うことが時々あって、それがこの時に現実になってしまったのですが、まぁそんなに怖いことは何もなくて、ただ単に余計な出費と時間とエネルギーが消費されるだけだった、ということが分かったので、それを書きたかったんだと思います。

実際にアルバニアのデュラスに行った感想はこちらに書いていますので、暇を持て余している方は読んでみてください。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

※記事最初の写真は、セルビアかマケドニアの田舎の写真。去年マケドニアに行くときに取ったものです。バスで移動するとこんな風景をよく見かけます。

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