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セルビアに来て驚いたのは、ロシアやカザフスタン、そしておそらく日本で飲まれている「お茶」と同じ頻度で、コーヒーが愛飲されていることだ。

ロシアといえばロシアンティーといわれるように、紅茶にジャム(ヴァレーニエ)を添えて飲むのが普通。カザフスタンはミルクティーが主流(これはカザフ民族の文化からきている)で、濃い目の紅茶にミルクを入れ、砂糖を2~3杯加えたものを何倍も飲む。カザフスタンはみんな本当にお茶が好きで、誰かのうちで1~2時間おしゃべりをする間に、最低3杯くらいは飲んでいたと思う。

日本でもコーヒーはよく飲まれているけれど、日本人は「種類を変えて」色々な味を楽しむのが好きな国民だから、コーヒーばっかりという人はそんなにいないのではないかと思う。

そんな「お茶」文化に浸って生きてきた私にとって、このセルビアのコーヒー文化はかなり新鮮だった。

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家庭ではトルココーヒー。カフェではエスプレッソ

コーヒーといっても、ヨーロッパのようにフィルターで淹れることは家庭ではほぼなく、専用の小鍋で沸かすトルココーヒーが主流。長きにわたってオスマンの支配下にあったためにこの土地に浸透したのだと言われている。

誰かの家にお邪魔すると、到着後、必ず

「カッファはどう?それともチャイ?」

と聞かれる。私はコーヒー好きなので、いつも遠慮なくコーヒーを淹れてもらう。

 

スーパーでは、コーヒーはすべて細かい粉末状になったトルココーヒー用のものと、インスタントコーヒーが売っている。フィルターで淹れるような荒い挽きのものは輸入物で値段が4倍くらいになる。時々聞かれるのは、「トルココーヒーがいいか、インスタントがいいか」という質問。迷うことなくトルココーヒーをお願いしている。

 

カフェに行くと逆にあるのは基本的にエスプレッソ、カプチーノ、カフェモカで、アメリカンコーヒーはない。トルココーヒーは、たぶん「トルココーヒーを淹れているカフェ」に行かないとない。

 

お茶の位置づけはどうなのか、というと、小さなスーパーでは紅茶は売っておらず、少し大きめのスーパーではパック入り紅茶が売っているけど種類は1,2種類しか見かけない。紅茶はどこか専門のところに行かないと買えないようだ。

 

が、お茶がないのかというとそうではない。

普通のスーパーにでさえハーブティーが十何種類はおいてある。例えば、カモミール、ハイビスカス、ローズヒップ、チェリー、クランベリー、イチゴ、ブルーベリー、ミント、タイム、ジンジャー、その他ハーブミックスが何種類か。(ざっと挙げただけでもなかなかの種類ですよね!?)

 

お砂糖はコーヒーでもお茶でも、平気で2~3倍は入れることが多いけれど、砂糖を入れないブラック派が正統という考えはどこのコーヒー好きにも共通しているようだ。ある寒い日に、友達の知り合いで85歳くらいのおばあちゃんの家にお邪魔したときは、「風邪ひくといけないから」とタイムのハーブティにハチミツをたっぷり入れてごちそうしてくれた時があって、それがまたとても美味しかったのを覚えている。

セルビア人は、カフェではエスプレッソ、普段家で飲むものはトルココーヒー、体調がすぐれないときや夜はハーブティ、という風な感じのようだ。紅茶を飲んでいるセルビア人は今のところ見たことがない。

 

コーヒー文化の国は住みやすい

私はコーヒーの豆やコーヒーを淹れるための器具にこだわるほどのコーヒーマニアではないが、スタバでコーヒーを飲むのが大好きな「コーヒー好き」だった(スタバのブラックコーヒーが美味しいかどうかは、コーヒーにこだわりがある方の間では意見が分かれそうですが、私はスタバのブラックが大好きです)。

当然ながらカザフスタンの地方都市などにはスタバもなく、美味しいコーヒー屋さんもなく、そもそもインスタント以外のコーヒーが高い輸入物しかなかったため、コーヒーを自分で淹れて飲むのはそこそこの贅沢だった。

 

そんな生活から一転、セルビアではコーヒーが国民の生活の一部なので、200g 150円くらいから買えるし、カフェに行けば一杯50ディナール(60円弱)くらいから飲める。主人はコーヒー嫌いだったのに、ここに来てから毎日コーヒーを飲むようになって、「頭が冴えるようになった」などと言っているのでそれも良かったと思っている。

 

が、トルココーヒーはトルココーヒーであって、私が慣れ親しんできたフィルターで淹れるものとはやはり味が違う。トルココーヒーはそれはそれで美味しいのだけど、香りをすっきりした味を楽しむならやはりフィルダーだと思う。でも頑張ればあのトルココーヒー用の細粉末タイプのコーヒーをフィルターで淹れてそこそこの味はでるし、もっと美味しく飲みたいと思えば「ちょっとそこまで」足を延ばしてカフェに行けばよいのだ。

 

ブラボー、セルビア!

 

ちなみに、トルココーヒーは砂糖が入ったほうが断然おいしい。

私はコーヒーに砂糖を入れるなんて邪道だと思っていたのだが、トルココーヒーは違う。

 

甘いほうが断然おいしいのだ。

そんなわけで最近は甘いコーヒーが好きな夫と仲良く、ミルクと砂糖入りのトルココーヒーをよく飲んでいる。

 

コーヒーがお好きな方は、是非一度、トルココーヒーを試していただけたらと思う。ブラック派のあなたでも、砂糖入りのコーヒーの美味しさがわかるかもしれない。こだわるなら専用の小鍋で沸かすのが美味しいけれど、小さなミルク鍋があればそれで代用もOKだ。

 

必ず水から弱火でじっくり沸かすことと、途中でかき混ぜること、上澄みを必ずすくうこと。そして火加減に気を付けて作ってみてください。

以下のレシピが参考になると思います。

トルココーヒーの淹れ方