個人的な話ですが、12月に結婚一周年を迎えます。そんなこともあり、またカザフスタンの冬が厳しすぎるということもあって、今年は結婚記念日を暖かい海外で迎えようということに。

このカザフの冬逃避計画はすでに夏ごろから持ち上がっていて、かねてから夫が行ってみたかったモンテネグロに旅行しようと航空券を手配したり現地のアパートを借りたりなどと、着々と準備を重ねて来た日々。

 

結婚後、私の居住権取得の手続きで四苦八苦してきた私たちは、

「いや~本当に、もうすぐ行けるんだねぇ」

などと二人で浮き浮きしていたのが出発1週間前。

 

 

そしてドラマはここから。

 

 

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出発4日前の木曜日の朝。

 

暗い顔をした夫がソファに座り込み

「良くないニュースがある」

と切り出した。

 

 

「なになに??この空気・・・」

とハラハラしながら事情を聴くと

 

モンテネグロにはビザなしで入れないことが分かった」

と。

 

 

 

「なんじゃそりゃ~~~!!!」

「ここにきて全部キャンセルですか~~??飛行機も?アパートも?列車も????」

などと、頭の中でいろんなことがぐるぐる回り始める。

 

 

なんでフライトやアパートはしっかり予約しておいてビザの確認が甘かったのか。。

二人で情けなくなったが、日本人の私はビザなしでOKなので夫のことまでチェックするほど頭がまわらなかったのだ。カザフスタン国籍だと、夏場だけビザなしでOKで、冬場はビザ必要らしい。(そんな期間限定ビザがあったなんて!)

夫の話によると、夏ごろにネットで調べていた時は、2014年は年末までビザなしで入れるという情報が出回っており、安心してそのあとチェックしなかったんだと。(まぁ普通そうかもね)

 

そして、出発直前の木曜日の早朝、なにか嫌な予感がして調べなおしたところ

モンテネグロへのビザなしの入国は10月末まで

という情報が見つかり、焦りに焦って旅行会社などに問い合わせたところ、やはりそうだということ。

 

11月末からの私たちの旅行にはビザが必要だということが分かってしまったのだ。

しかも、カザフスタンでビザを取得するには2~3週間かかるという。(手遅れジャン!!)

 

夫から話を聞いたときはそれはそれは全身が硬直したが、少しして落ち着いてから

「まあ出発前でよかったね」

と言って、別ルートを考えることに。

 

結局、思いついたのが、ビザなしで入国できる隣国のセルビアに入り、セルビアのモンテネグロ大使館でビザの申請をしよう、というアイデア。

隣国だからきっとビザも早く出るだろうと期待してのことだ。

 

しかし、すでにカザフスタン→イスタンブール(トルコ)→モンテネグロというルートの航空券は手配済みで変更もできないので、しょうがなく、モンテネグロ→セルビアの航空券を追加で手配することに。

 

既に予約したアパートの前金は無駄になるわ、モンテネグロからさらにセルビアまでの航空券代がかかるわ、セルビア滞在費もかかるわで、旅の前から予算がすでにオーバーしてしまったが、ここにきてすべてキャンセルするなんて悲しすぎる!ので、気を取り直して新たな目的地に思いをはせて旅の準備を進めたのだった。

 

カザフスタン、アルマティの空港にて

rhythmuswege / Pixabay

ついにやってきたカザフ脱出の日。これまで何十回と飛行機には乗ってきたが、今回のフライトほどドギマギしたときはなかった。

 

なぜかというと、目的地ではなく今や経由地となってしまったモンテネグロの空港で、何かしらの問題が発生するような気がしていたからだ。

基本的には、受託手荷物を最終目的地まで預けてしまえば、途中の乗り換え地では、入国する必要がなくトランスファーエリア内にとどまることになるので、乗り換え地でのビザは必要ないはずだ。

 

が、今回は乗り換えが2回。モンテネグロまでとそのあとでは航空会社も変わる。

 

もしモンテネグロでいったん入国して荷物をピックアップして再度搭乗手続きをと言われてしまったら・・・などと考え始めると居ても立ってもいられなくなった。。

 

心配で心が折れそうな私とは裏腹に、隣の夫はさも落ち着いた様子だ。問題が起きるとしたら夫のビザの件なのに、私ばかりが心配するなんて本当に損だと思い、あれこれ考えるのをやめようと決意。

 

さて、とうとうカザフスタンの南部の都市アルマティの空港でチェックイン開始。スーツケースを預けると同時に、「最終目的地のセルビアまで通しでお願いします」とお願いする。

 

が、乗り換えが2回あることに気付いた空港のお姉さんは

「2回の乗り換えは無理です。モンテネグロで一度ピックアップして再度搭乗手続きをしてください」

 

 

ガーン。

 

 

嫌な予感が本当にしてきた。

つまりはモンテネグロで入国して、荷物を受け取り、再度出国手続きをしなくてはいけないのだ。

 (ここで安心したかったのに、今後どうなることやら不安になる)

 

夫は「空港で事情を説明すればなんとかなる」とあくまで落ち着いた様子。

 

最悪、私だけ入国して旦那はトランスファーのルートで。

という方法をとることにしようと話し合い、まずは最初の経由地、イスタンブールへ。

 

 

アルマティからイスタンブールへ

初のトルコ航空。設備は快適に作られているが、機内食はまあまあというところ。(アルマティ発だからかもしれないが・・・)

 

あと、映画のセレクションがイマイチすぎて、最初の10分くらい観て別の映画に切り替えるというのを5回くらい繰り返し、結局アニメを観る羽目に。

 

5時間くらいのフライトで早くも無事イスタンブール到着。

 

ここでの乗り換えには問題がないはずなのでひとまずトルコまでこれたことを喜ぶ。

 

Skitterphoto / Pixabay

 

空港内は本当に様々な人種の人であふれていて久しぶりに人ごみを見た感じ。。

さすがトルコという感じだけど、なんだか逆に委縮してしまった。。

 

手元にはすでに発券された航空券があるので、ひたすら待つ。少し予定時刻を過ぎてようやく登場開始。

パスポートとチケットを手に、スタッフに手渡し、チケットを切ってもらう。

 

空港ビルから出て、飛行機までの送迎バスにさて乗り込むぞ、と私の後に続いているはずの夫のほうを振り替えると・・・

 

なにやら、空港スタッフともめている様子。。

 

 

「えっここで?なんで????」

「ここでストップかけられるんですか。。トルコから出発できないんですか~!!!!」

TaniaVdB / Pixabay

 

 

 

すでに外に出てしまった私はガラス越しに様子を見守るしかない。。

女性スタッフは首を横に振るばかり。。

 

まじっすか・・・

 

後で聞いたところ、旦那は冷静に「自分はモンテネグロで乗り換えてセルビアにいく。セルビアはビザなしで入れる」と説明したようだが、女性スタッフはパソコンに保存された古い情報をみて、「カザフスタン国民はセルビアもビザなしで入れない、モンテネグロにも送り出せない」と言い張っていたようだ。

幸い、2人の男性スタッフがネットで情報を調べてくれ、セルビアにはビザなしで入れるとのことを確認し、さらにセルビア行の航空券が予約済みであることを見せて、晴れて通過することができたのだった。

 

問題があるとしたらモンテネグロの空港でだろうと思っていたのが、いきなり襲ってきた恐怖の瞬間。

 

ほんの10分くらいのことだったけれど、他の乗客はどんどん送迎バスに乗り込んでいくし、自分たちだけが最後に残って本当にどうなるか緊張・緊迫の瞬間だった。

 

これが過ぎたら、なんだか落ち着いて、あとはもうセルビアに入るためなら何でもするよ。という吹っ切れた気持ちで飛行機に乗ったのだった。

 

モンテネグロ、ポドゴーリツァの空港にて

1時間40分のフライトを終えて、夢のモンテネグロに到着。

飛行機の中から見たモンテネグロは、こんなに山があるのか!というくらい山々が連なり、そして複雑な海岸線と青い海がとっても美しい。

いやぁこんな風光明媚なところだったとは!と嬉しくなりつつも、この空港でいったい何が待ち受けているのか、不安がこもる。

飛行機から降りて空港ビルまでの外の空気が気持ちよい。

 

さてここが正念場!

 

いざという時は自分だけ入国審査をして荷物をピックアップし、夫はそのままトランスファーエリアへ。ということは決めていたが、空港スタッフがどんな対応をしてくるのか、ドキドキハラハラ。。

中に入ってみると、めちゃめちゃこじんまりとした空港。目の前にすぐ入国審査エリア。「あれ、トランスファーはないんですか?」と思ったら、脇のほうにちょこんと「Transfer」という文字が。

その分かれ目にいる女性スタッフの方に近づいて、「私たち乗り換えでここに来たんですが、荷物をピックアップしないといけないんです。どうしたらいいですか?」と聞いてみる。

 

思った通り「一度入国して、再度出国手続きをしてください」と言われたので、「あの、私は入国できるんですけど、夫はカザフ国籍なのでできないんです」と事情を説明。

驚いた顔をしながらも、私たちのセルビア行のチケットと夫のパスポートを見て、すぐに他のスタッフと連絡を取り、私だけ入国して荷物を預けなおし、夫はスタッフとともに別のルートで搭乗エリアへと案内されることに。

 

トルコでの対応とは全く違って、すべてが素早く親切な対応

 

モンテネグロの人たちは非常に親切だという話は夫から聞かされていたが、「本当にそうかもしれない」と思い始めた。ここにきてようやく自分たちが人として扱われているな~というのを感じることができた瞬間。

 

 

今回のフライトの問題はもはや過去のもの。

睡眠不足と緊張で疲れは溜まっているものの、気分は上々にセルビアの首都ベオグラードへと旅立ったのだった。